デトロイト市の更生手続きに画期的な判断が下りた。
破産法と税法のせめぎ合い、とみえるけれど、この指針が明確になってくると今後の「自治体債務の整理」には非常に大きな影響を与えることになるだろう。
税金や未払いの給与、などは免責されないのが通常だが、デトロイトと同様のことは、これからEUとか、米国、そして最大級なのは日本で「国レベル」で起きてくるのである。
借金の能力、で今のところ「日延べ」しているだけの状態だから、厚生予算(年金ほか)の破たん、とか給付金の交付不能、とかそういう事態はやがて必ず訪れるだろう。
その時に法的に破たんは許さず、となると借金だけが未来永劫残っていくことになる。
債務名義は取れど「銭あらず」という回収としては最悪の時代になるわけで、年金基金が免責されないのであれば、やはり構造的に絞るしかないのだと思う。
まだ選挙などでは顕著ではないが、時代は確実に「NO MORE借金」という方向に向かっているのではないだろうか。
デトロイト更生手続き申請、「違法」と州裁判所
【ニューヨーク=越前谷知子】米ミシガン州デトロイト市が財政破綻し、連邦破産法9章に基づく更生手続きを連邦破産裁判所に申請した問題で、同州裁判所は19日、「申請は、州法に違反する」との判断を示し、スナイダー州知事に対して緊急管理人による破産法申請の撤回を求めた。
裁判は、市職員の年金給付の削減が同州法に違反するとして、同市の年金基金などが違法確認を求めていた。
州裁判所は、緊急管理人が、年金給付を削減するために連邦破産法9章の申請を行ったと違法性を指摘。米紙デトロイト・ニュースによると州は上訴する方針。
ミシガン州は財政危機に陥っているデトロイト市の事態収拾を図るため今年3月、緊急管理人を任命。180億ドル(1兆8000億円)を超える借金を整理するため債権者らと交渉を進めてきた。しかし、交渉が難航し、破産の可能性が高まったため、市の年金基金などが今月に入り、市の破産法申請を回避するため、訴えを起こしていた。
(2013年7月20日12時10分 読売新聞)