藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

日本発メディアの次世代。

日経が1600億円でFT買収の記事。
色んな識者の人たちがこれから色んな記事を書くと思うけれど、新聞のウェブ化で唯一勝ち組だった日経が「これをやるか!」と喝采を上げた人は多いに違いない。
およそ日本のメディアが世界に影響する、というのは初めてなのではないだろうか。
保守本流の経済メディアとしてこれから海外でどのように活躍するのか期待満々な感じだが、大した英断には違いない。

FTもすでにデジタル版のかつ「有料購読者50万人」というから、決して衰退メディア誌の売り逃げではないようだ。
合併後は新聞の発行部数でWSJ(ウォールストリートジャーナル)の倍となり、デジタル有料読者も世界一となるという。

紙媒体を持つ世界のビジネスメディアは「日経・FT」とWSJを傘下に持つダウ・ジョーンズ(DJ)の2強体制に集約される。通信社では米ブルームバーグの存在も大きく、3つの勢力がグローバル市場でせめぎあう構図になる。

日本のメディアがこれほど世界メジャーに参画するというのは初めてである。
通信の世界ではソフトバンクが色々と仕掛けているが、ジャーナリズムの世界での日本発の動きにはぜひ期待したい。
日経会長の言う「報道の使命、価値観」がぜひ発揮されて欲しいものである。
日本の政治や行政の頼りない報道の中、唯一目の覚めるようなニュースではないだろうか。

日経、英FTを買収 ピアソンから1600億円で
読者数で世界最大の経済メディアに2015/7/24 0:20日本経済新聞 電子版
 日本経済新聞社は23日、英国の有力経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)を発行するフィナンシャル・タイムズ・グループを買収することで同社の親会社である英ピアソンと合意した。8億4400万ポンド(約1600億円)でFTの全株式を取得する。メディアブランドとして世界屈指の価値を持つFTを日経グループに組み入れ、グローバル報道の充実をめざすとともに、デジタル事業など成長戦略を推進する。読者数で世界最大の経済メディアが誕生する。

ロンドンにあるフィナンシャル・タイムズの本社=ロイター
 ピアソンが23日開いた取締役会で了承した。買収価格はFTが保有する現金(1900万ポンド)を含む総額で、日経が支払う価格は8億2500万ポンド。日本のメディア企業による海外企業の買収案件としては、過去最大となる。
 FTは世界有数の経済メディアとして影響力を誇り、ビジネス界におけるブランド力に定評がある。日経は英文媒体Nikkei Asian Review(NAR)を中核に、アジアを中心とするグローバル情報発信に力を入れている。両社は記者、編集者をはじめとする人的資源や報道機関としての伝統、知見を生かし、世界に例のない強力な経済メディアとして社会的な責任に応えていく。
 FTはデジタル化の流れにもいち早く対応し、現在ではデジタル版の有料読者が約50万人と全体の約70%を占める。日経も電子版読者が43万人に達している。経済・ビジネス情報はデジタル時代に高い成長が見込める分野であり、両社の顧客基盤を活用してさまざまなデジタル事業に取り組む。
 ピアソンが50%出資する英経済誌エコノミストは今回の買収対象には含まれない。
 日経とFTの組み合わせは、世界のビジネスメディアで大きな存在感を示すことにもなる。電子版の有料読者数(合計93万)は米ニューヨーク・タイムズ(NYT、91万)を抜いて世界トップになるほか、新聞発行部数はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、146万部)の2倍強になる。
 紙媒体を持つ世界のビジネスメディアは「日経・FT」とWSJを傘下に持つダウ・ジョーンズ(DJ)の2強体制に集約される。通信社では米ブルームバーグの存在も大きく、3つの勢力がグローバル市場でせめぎあう構図になる。
 ピアソンのジョン・ファロン最高経営責任者(CEO)は同日、「メディアの変革期において、FTの価値を最も高める道は世界的なデジタル企業と統合することであり、日経の下でFTはさらに繁栄すると信じている」との声明を発表した。喜多恒雄・日経会長は「FTという世界で最も栄えある報道機関をパートナーに迎えることを誇りに思う。我々は報道の使命、価値観を共有しており、世界経済の発展に貢献したい」と述べた。