藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自国のことから学ぶ機会に。

日本の文系大学生は勉強をしないのが常識、とは大手企業の人事担当者をする友人の弁。
自分もご他聞に漏れず、という感じだが折角の大学教育がそれでは悲しいとも思っていた。
結局社会に出てみれば、それから勉強すべきことは山ほどあるし、学生時代には焦点の定まっていなかったテーマについて、自分の職業や生活に則して改めて勉強することになる。
欧米式の経営学修士がいいかどうかはともかく、学問と自分の将来のつながりが感じられる教育になれば学生さんにもリアリティが出てくるのに違いない。

思えば、大学ほど学問に自由度が高い時代はない。
一見自分の指向に関係のないような学問も、専門の教官に学べる格好の機会だったはずである。
社会に出て、色々と実務を経験したら「こんなことも学びたかったな」ということが浮き出てくるものだが、二十歳前後にそうした「将来への興味を誘うようなヒント作り」が義務教育からのテーマではないかと思う。

先日ドイツ人の知り合いに「あなたの国の歴史的な位置づけを教えてくれ」と言われて、大和民族とか、縄文時代とか、一体どこから話せばいいのか、日本書紀のこととかもっと勉強しておけばよかった、と冷や汗をかいた記憶があるが、「自分たちはどこから来て、どこへ行くのか」というようなことについても日本は平和過ぎて関心が薄いなぁ、と自省した。

最近は近代史の大戦とか終戦観とか、これからの外交とかについて話題になることが多いけれど、日本の国内でもようやくそんな話が日常会話に出てくるようになったのではないだろうか。
「対比されてようやく自分に気付く」ということは日常よくあることだけれど、自国のこれからを話す機会に「これまでのことについて」というテーマも一度整理して学ぶ必要がありそうだ。
学ぶ対象は気付かないところで一杯だ。

<国立大学>33校で文系見直し 9大学で教員養成廃止毎日新聞 10月20日(火)12時3分配信

*
ツイート
340
このページは340回共有されました。これらのツイートを見る。

* .

 ◇16年度以降6年間の中期計画

 国立大学で2016年度以降、人文社会科学系の学部・大学院の組織見直しを計画しているのは33大学で、人文社会科学系がある60大学の半数超に上ることが20日分かった。各大学の16年度以降の6年間の中期目標・計画の素案が同日開かれた文部科学省の専門分科会で示された。一方、組織の廃止を予定しているのは横浜国立大など9大学で、いずれも対象は教員養成系学部だった。文科省が6月の通知で求めていた国立大の文系学部の組織改編が一気に進むことになる。年度内に文科相が各目標を決定し、計画を認可する。

 中期目標・計画は86の各国立大が6年間で達成を目指す事項を盛り込んだもので、国立大学法人評価委員会が達成度を評価し、各大学の運営費交付金の額に反映される。04年度の国立大学法人化で義務づけられ、今回は3期目になる。

 人文社会科学系の組織見直しを計画している33大学のうち、宇都宮大は国際学部、工学部などを改組して16年度に「地域デザイン科学部」を新設する。愛媛大は同年度に法文学部の改組と「社会共創学部」の設置を盛り込んだ。

 組織の廃止や募集停止を打ち出した9大学は、対象がいずれも教員免許の取得を卒業条件にしない「新課程」(ゼロ免課程)。横浜国立大は17年度に新課程の「教育人間科学部人間文化課程」を廃止し、学校教育課程のみの教育学部(仮称)に組織改編する。

 中期目標・計画素案で示された数値目標は全大学で計約1400件に上り、第2期(10年度からの6年間)の8倍。内容は、外国人留学生の受け入れ数・比率▽女性教員数・比率▽外部資金獲得額・採択数−−など。

 中期目標・計画を巡っては、文科省が6月にその作成の基になる通知を出した。各大学・学部の強みや役割を整理するため、専門分野が細分化している人文社会科学系の改組や教員養成系の新課程の廃止を求める意図だったが、人文社会科学系にも廃止を求めるように読める文面だったことから、学術界などから「文系軽視だ」と反発が起き、文科省は「文書ミスだった」と認めている。【三木陽介】

◇国立大の中期目標・計画素案に盛り込まれた人文社会科学系の組織見直し例◇

大学    中期計画の内容

宇都宮大  国際学部の改組

横浜国立大 経済学部2学科体制、経営学部4学科体制をそれぞれ1学科体制にする

滋賀大   新たにデータサイエンス学部・研究科(仮称)を設置

愛媛大   16年度に法文学部の改組および社会共創学部を設置

熊本大   17年度までに人文社会科学系および自然科学系学部の学部定員を見直し再編統合する
.