藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

オオカミの来るとき。

先進国の上場企業の不正がずい分目立つのは単なる偶然だろうか。
ドイツも日本も不正の根っこには「行き過ぎた業績主義」があったというけれど、どこの企業も業績は上向きを目指すものだし何を以て行き過ぎか適正かという議論は市場主義の永遠の課題と言ってもいいと思う。
現に自分も大学の授業で「企業は利益の極大化を目指す存在」と習ってへぇーと驚いたことを思い出す。

不正をしない範囲で最大限の業績を、とお茶を濁したいところだが売り上げ計上の小さな不正などは多くの企業で見てきたし、どうも決定的な結論は出ないまましばらく時間が経つのだと思う。
それはともかく、そんな企業の集まりの株式市場は相変わらずの不安定ぶりだが気になるのは「緩和だのみ」のこと。
中欧どの先進国市場も緩和というカンフル剤を打ち合って何とかしのいでいるけれど、行き着く先には「お金の価値の下落」しかないということくらい小学生でも見当がつく。
市場関係者はその道の専門家ゆえに、緩和だのGDPや雇用統計に一喜一憂してそれがまあ商売なのだけれど、そろそろ自分たち一般人は「一旦金離れ」を考える時期に来ているという気がする。
東京のオリンピック開催前か後かはともかく、『一旦のリセット』を回避できるような兆候は今のところないのではないだろうか。
国の借金も増え続け、世界の経済も全体としては横ばい以下であれば、先食いした資産はどこかで返すかリセットせねばならない。
"市場マネーの世界"はゲーム的に解決してノーサイド、となるのかもしれないしそんな風にしかオチも付かないと思うが自分たちの生活費が紙くずになってしまっては日々の生活に大きな支障が出るというものだ。
ゴールドなのか土地なのかモノなのかは自分なりに考えて、ともかく破たんの爆風にもろに晒されないための施策は考えておきたいものである。
そこで相場を張って大儲けを目論んではミイラ取りになる。
あくまで生活防衛、企業防衛の立ち位置で具体的な対比プランが必要なのじゃなかろうか。
いよいよ本物のオオカミが来るような気がする。

日銀政策の解釈に市場戸惑い 日経平均399円安 2015/11/2 21:47日本経済新聞 電子版
 日銀の金融政策決定会合を受けた週明け2日の株式市場では日経平均株価が大幅に下落し、下げ幅は一時400円を超えた。中国の景気不安や利益確定売りなどの要因に加えて、追加緩和を見送った日銀の政策方針の解釈を巡り市場関係者の間に戸惑いが広がった。
 決定会合の結果は、10月30日の取引時間中に伝わり、その日の株価は小幅高だった。2日の日経平均は4営業日ぶりに反落し、終値は前週末比399円(2%)安の1万8683円だった。東証1部の8割の銘柄が下げるほぼ全面安の展開となった。
 流れが変わったのは、週末をはさんで日銀の政策についての様々な分析リポートが出回ったためだ。
 日銀は今年度の成長率や物価上昇率の予想を引き下げ、物価目標の達成時期も半年先送りしたが、追加緩和には動く姿勢を見せなかった。
 「追加緩和があったとしてもかなり先」との見方も浮上している。JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは「大幅な円高・株安が進まない限り早期の緩和はなさそう」として、追加緩和の予想時期を「来年10.11月会合」と大幅に後ろ倒しにした。「当面、追加緩和が期待薄になったとみた海外投資家などの売りがかさんだ」(損害保険ジャパン日本興亜の西田拓郎・運用企画部特命課長)との声が目立った。
 さらに市場では、日銀による追加緩和への期待はなお根強いものの、「追加緩和の有無を決める理屈が分かりづらくなった」といった声も聞かれた。
 また1日と2日に発表された中国の10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)はさえない内容で、いずれも好不況の判断の境目となる50を下回った。中国の景気減速の懸念が根強いなかで、日銀の緩和期待が相場を下支えした部分は大きい。金融政策への不透明感が出てきたことで、相場の先行きが一段と見通しにくくなってきたとの指摘が増えてきた。