藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

魂はどこに。

起業家たちは、ビジネスを立ち上げ軌道に乗せて売却するという「出口戦略」を考えてから、起業することが多い。

さて。

「商売」とか「起業」とかいうことに対する、一種宗教的とも思える違いがある。
日本的、な感覚で言えば「商売を始める時に"止めて売り飛ばすこと"を前提にする人はいない」と思う。

投資で言えば「保有型」だ。
ただし、投資といっても「金だけ出して」というのとはわけが違う。
投資というよりは自己実施だ。
松下翁、本田翁、ああした起業伝に共感を覚える外国人がどれだけいるのかはわからないけれど。

日本人で共感を得る人は多いだろう。

吉田松陰松下村塾とか、松下経営塾とか、欧米のMBAとは違う切り口に日本人のセンスはあるらしい。
今の時代、M&Aがいけないのではない。
けれど、企業の時点で「出口」を考えるようなビジネスは(自分は)面白味がないと思う。

やるからには生涯付き合う気でやりたいものだ。

年間1億円も稼げる「シリコンバレー流」不動産投資のイロハ

                    • 依然ブームが続く不動産投資だが、日本の投資家の多くは、収益を生み続けるにあたり重要な点を見落としているという。『シリコンバレーのビジネスエリートたちが実践する 使っても減らない5つのお金のルール』などの著者で、シリコンバレーでM&Aやデューデリジェンスに従事した経験を、不動産投資に生かしている黒木陽斗氏が語る。 ----------

シリコンバレーで学んだ不動産投資の本質

 今、テレビや雑誌等のメディアで話題の不動産投資。中堅どころのビジネスパーソンだけでなく、20代の若い世代や、主婦層にまで広がっている。

しかし、十数年前、私が不動産投資を始めた頃は、地主や資産家が資産運用や相続対策として行なうのが主で、今のように書籍やセミナーなどで手軽に情報を得られる時代ではなかった。

当時、私はシリコンバレーでも有数の企業で、ビジネスデベロップメント(新規ビジネス開発)、M&Aの交渉や契約、デューデリジェンス(企業の資産価値評価)、ライセンス交渉および契約、戦略的提携等の業務を行なっていた。

守秘義務があるので詳細を記すことができないのが残念だが、自社に多大な利益をもたらす提携事業やM&Aを手がけてきた。

しかし、いくら実績を出して給与が上がっても、比例して上昇する税金の高さには辟易していた。また、ポジションが上がっても自分が企業のオーナーにならない限り、上には上がいるということに気がついた時期でもあった。

たとえ、外資系企業の日本代表まで上り詰めても、所詮は雇われである。いつまでたってもオーナーにはなれないのだ。

当時、同じように感じていた同僚たちとの話題に上がっていたのが、「不動産投資」だ。なぜ、「不動産投資」だったのか?
 それは、収益を生んでいる不動産を購入するということは、すでに毎月お金を生み出している、うまく回っているビジネスのオーナーになるということだからだ。

しかも、この事業は収益を上げるだけでなく、資産としてバランスシート上に計上される。つまり、不動産取得に使ったお金は減らずに資産という価値に変わる。もちろん、毎月入ってくる家賃収入も現金資産として合わせて増えていく。

将来的になれるかどうかわからない企業のオーナーを目指すより、不動産のオーナーになるほうが魅力的だ。

そう思った私は、シリコンバレーで学んだことを不動産投資に応用し、メインである一棟マンションを中心に区分不動産を複数所有した。いまや年間収入は1億円を突破し、経済的自由を獲得することができたのだ。

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1/17(水) 7:00配信

M&Aと不動産投資の共通点

 シリコンバレーでは企業のM&Aが頻繁に行なわれる。

起業家たちは、ビジネスを立ち上げ軌道に乗せて売却するという「出口戦略」を考えてから、起業することが多い。買収する側も、すでに評価されている技術やビジネスをM&Aするほうが効率的だと考えている。また、資金が豊富な企業があるのに加え、それらの資金提供を行なう機関も多く存在している。

当時、企業のM&Aを手がけていた関係で、不動産投資はM&Aに似ていることに気がついた。ワンルームやマンション一棟を1つの事業や企業と考えれば、それを「買収」するのがまさに不動産投資なのだ。

しかも、その資金は金融機関が喜んで融資してくれるため、自己資金が少なくてもレバレッジを最大限きかせられる。その点もM&Aによく似ている。

不動産投資にも「デューデリ」が不可欠

 M&Aにおいては、企業の将来価値と現在価値、その間のキャッシュフロー(税引後純利益+減価償却費)やバランスシート上の資産価値等の評価を行なうのが一般的だ(これをデューデリジェンス=デューデリという)。

不動産投資にも、この考え方は不可欠だ。しかし、不思議なことに日本の投資家の多くには、この観点が欠けている。それは、購入時点での「現在価値」のみに重点を置いた不動産評価が主流だからだ。

近年、やっと家賃収益から利回りを計算して不動産価格を評価する収益還元法が導入されてきているが、原則的には積算評価(土地と建物の原価)とよばれる原価評価を重視している。

しかし、この評価方法では、近い将来に価値が大幅に下がってしまう物件を見破ることはできない。現在価値だけを見て購入した人は、将来、価値が大幅に下がるリスクを考えなかったために、損をしてしまうケースが多い。

以上をふまえ、不動産投資で損をしないためには、「現在価値」と「将来価値」、「その間のキャッシュフロー」を見極めるデューデリが必要だ。

たとえば、所有期間中は毎月キャッシュフローがプラスで儲かっていたとしても、将来の不動産価格が下がり、売却価格がそれまで貯めたトータル利益よりマイナスになってしまえば、最終的にその投資で損をしてしまう。

「将来価値」を見据えた投資、言い換えれば出口戦略がない不動産投資はリスクが高いのだ。

参考までに、1つシンプルな例を挙げよう。物件価格1億円、年間キャッシュフロー200万円(純利益2%)のマンション一棟物件を購入して、5年後に売却した場合、以下の図のように考えることができる。