藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

技術革新の中で。

自分たち一般市民の日常でさえ「技術革新」の波を受けて揺れている。
これが「技術メーカー」にしてみれば、まさに荒波に揉まれているような感覚ではないだろうか。
AI、半導体ビッグデータ
産業界は振り回されている。

ちょっとした「テクノロジー祭り」みたいな雰囲気さえするこの頃だが、さて「自分の船の行き先」については悩ましい。

自分のような中小企業でさえ悩ましく、これが数兆円のビジネスをする企業の「舵取り」ならどれほどの苦労があるだろうか。
巨体だけに、急に向きも変えられない。
方向がずれているだけで、巨額の損失を生んでしまう。
小型のボートでは通用した身軽さは封じられているわけだ。

自分は大企業の経営者になったことはないが、おそらくは「経営者の経営センス」以上に「舵取りのセンス」が必要なのではないかと思う。

技術の発展も全方位的だし、またその技術を使ったサービスは無限に広がる可能性がありそうだ。

これからは「巨艦」を「いかに細やかに操縦できるか」ということが、マネジメントの中心になるのではないだろうか。

大きな船を、自在に操る。
新しい経営技術ではないだろうか。

AI開発、サムスン急発進 脱メモリー依存急ぐ

 韓国サムスン電子人工知能(AI)の研究開発を一気に本格化する。推進役となる幹部ポストと海外3カ国の開発拠点を新設し、2020年までに技術者1千人体制とする。AI向けに情報を高速処理する半導体や、新薬の開発につなげ、半導体モリーに続く新たな経営の柱を育てる。事実上のトップ、李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が主導し、出遅れが指摘されるAIで巻き返しを狙う。

 サムスン関係者によると、AIなどの新分野や新事業の推進役となる最高イノベーション責任者(CIO)職が5月に設けられ、米国人のデービット・ウン氏が就いた。ウン氏は米グーグルでAIなど先端技術を担当し、約6年前にサムスンに入社。スタートアップとの連携や投資を手がけてきた。

 CIOの役割についてサムスン幹部は「AIや第4次産業革命などをテーマに将来の新事業育成にあたる」と説明する。CIOの新設は対外的には公表していない。

 同社は5月下旬に、英国、カナダ、ロシアにAI研究センターを相次いで開設。本国の韓国と米国を合わせた5カ国で研究開発を進める体制に改めた。英国はデータ解析、カナダは音声認識、ロシアは物理学との連携といった具合に各国の強みを研究にいかす。足元の技術者数は明かしていないが、2年後に韓国で600人、海外で計400人の人員を計画する。

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 併せてAI研究の世界的権威とされる米プリンストン大学のセバスチャン・スン教授と、米ペンシルベニア大学のダニエル・リー教授を招いた。両教授はこれまでのポストを離れ、サムスンに所属するという。

 AIを巡っては、トヨタ自動車が3月に自動運転技術を開発する会社の設立を発表しており、人員は1千人規模とする方針。米国の開発拠点トップには著名研究者を招いた。サムスンはAI技術者が数千人規模とみられる米IT(情報技術)大手に及ばないが、AIに積極的な世界大手メーカー並みの体制を整える。

 同社は日本企業の人材を厚待遇で取り込み、液晶パネルや半導体の技術力とシェアを急速に高めた。17年12月期の連結営業利益は53兆ウォン(約5兆3千億円)。資金力を生かし、優秀な人材を囲い込む光景がAIでも再現される可能性がある。

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 サムスンはAIの研究開発を進めることで、AIの基幹技術である深層学習など向けに、データの処理速度を3〜4倍に高める「AI半導体」を開発する。画像などのビッグデータを高速処理できるAI半導体は、高速通信規格「5G」の実用化やそれに伴う技術革新の中核を担うとされる。

 17年に米インテルから半導体首位の座を奪ったサムスンは、DRAMなどのメモリー半導体部門の主力。最近はメモリーとは別に半導体の受託生産にも力を入れる。近年は米アップルをはじめ自社製品やサービスに最適な半導体を独自に設計する企業が増加。サムスンはAIをテコにこうした企業からの受託生産事業を拡大し、同事業で世界首位の台湾積体電路製造(TSMC)を追う。

 自動運転関連の自動車部品やバイオ医薬の創薬でもAIの活用を探る。サムスンは新たな収益の柱に自動車部品とバイオを掲げているが、足元では成長鈍化懸念が強まっており、AIによりテコ入れをめざす。

 サムスンは足元の連結営業利益に占める半導体部門の比率が7割を超え、このうち9割がメモリーとされる。稼ぎ頭のDRAMについては、中国政府が独占禁止法違反の疑いで同社などを調査しており、関係者によると「5月31日に立ち入り調査を受けた」という。

 DRAM市況の先行きにも不透明感が漂い、メモリーに依存する経営からの脱却は時間との戦いに突入しつつある。

(ソウル=山田健一