藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

今からのこと。

46億年の地球の歴史を1年のカレンダーに換算すると、海が誕生したのが3月1日。
人間が四大文明を築いたのが、大みそかの午後11時59分。

原爆時計は、まだ最終の12時代を記録しているが、自分たちの「文明」がどれほど短いか、ということは論を待たない。
よくもこれほどの短い時間で、数々のイノベーションを経験し、今またここにいるものだ、と思うが今の自分たちにはよく分からない。

この先「エア・タクシー」が飛び回り、VRで世界中を旅するようになるだろうけれど、それは「大晦日の自分たち」でしかない。

最新の技術を発明し、受け入れ、「その後の世界」を考える。

これからも「大晦日の私たち」はそうした極端な技術革新を経験し、受け入れていくのだと思う。
刺激的だけれども、常に緊張させられそうだ。

春秋
空気が澄む真冬の星は、さえざえとして美しい。が、夏の夜に涼を求めて仰ぐ星もいい。さそり座のアンタレスや来月、地球に大接近する火星は赤く燃えるようだ。地球も日照りだが、水のない星はもっと乾いているだろう。旱星(ひでりぼし)とは、炎暑に眺める天体をさす季語だ。

▼わが地球に水と生命をもたらしてくれた恩人と考えられているのが、小惑星だという。水を含む天体が数億年にわたり地球に衝突を繰り返し、海ができた。壮大な仮説が、研究者によって描かれている。その証拠を求め、4年前に旅立った探査機「はやぶさ2」がきのう、3億キロかなたの小惑星「りゅうぐう」に到着した。

▼公開されたりゅうぐうの画像は、黒っぽくて岩だらけに見える。荒涼とした旱星に水があるのだろうか。だが、専門家は、この小惑星に、水分を多く含む岩石がある、とにらんでいる。サンプルを無事に持ち帰ることができれば、生命の起源などを解明する有力な手掛かりになるはずだ。竜宮城からの玉手箱が待ち遠しい。

▼46億年の地球の歴史を1年のカレンダーに換算すると、海が誕生したのが3月1日。人間が四大文明を築いたのが、大みそかの午後11時59分。はやぶさ2プロジェクトに参加する杉田精司・東京大教授が監修した科学絵本「僕は46億歳。」が教える。親子で夜空を眺めつつ地球を通り過ぎた時間に思いを致すのも悪くない。

本コンテンツの無断転載、配信、共有利用を禁止します。