先日、20代の青年と話す折、将来について相談を受ける。
「起業したいんです」
「何の仕事で?」
「まだ、分かりません」
「ほ?」
また、ある日大学の後輩と話す。
「いつか、社長になりたい」
「業種は?」
「特に決めてません」と。
「ふむぅ…」
[失敗の共有]動かなかったシリーズ。
ほかでもない。
月刊誌、日経コンピュータ。
20年前は、IT業界のSE,営業を問わず、必読の雑誌だった。
が、今年ついに購読を打ち切ることに。
理由は中身の古さ。
webが台頭するにつれ、ユーザや開発者が知りたい技術は、より実践的に、
より細かく深く、広くなっていった。
「日コン」に代表される、大規模開発のノウハウ集は、その焦点を絞りきれずに
惨敗した、と思う。
恐らく、取材記者がもう技術について行けていないのではないだろうか。
誌面から、オピニオンや熱意が伝わってこないのだ。
余計なことだが、「日経ビジネス」も同様の危機にあると思う。
誌面に魅力のある「東洋経済」や「ダイヤモンド」といつの間にこんな差がうまれたのか。
閑話休題。
中期経営計画にて
3月末、アスリートの中期経営計画発表会。
やり始めて、もう10年になる。
通常、会社の経営計画などは年々、精緻になり、分業が進み、どんどん分厚くなってゆくのが相場だ。
アスリートのものは、年々スリム化し、「ホネ」になってきた。(汗)
今期は、東阪各部門の「3年後を想像し」スタッフ個人も「自分の3年後をイメージ」し、そこに至るプランを立てよう、というもの。
「前年対比x%成長!」とかいうのとは、大分ちがう。
ずい分前に、「数字ありき」は止めたのだ。
マネージャたちの計画発表を聞きながら、ふと思う。
「走り出してしまった会社」特集はどう。
日経コンピュータ誌に、古くからあった人気コーナー、
『動かなかったコンピュータ シリーズ』。
同様のもので、日経ビジネスには
『敗軍の将、兵を語る』というのもある。
どちらも「失敗紹介モノ」。
語りにくいことを吐露する経営者の心中を聞き、なかなか興味深い。
そして、ふと思う。
なぜ経営計画なのだ。
なぜ、成長なのだ。
なぜ、利益を出さねばならぬのだ。
なぜ、社会貢献なのだ。
なぜ、この会社はあるのだ。
そんな根源的な疑問が、頭をよぎる経営者は以外に多くないか。
(自分はそうだった)
しかし、一度社会の中にデビューし、カネ、人、モノ、のやり取りをしてしまうと、「ある連鎖」ができる。
取引先、従業員、銀行、株主、そして顧客。
なかなか、「ちょっと一休み」とはいかない。
止まれば企業は死んでしまう。
一度動き出したら、「循環し続ける」ことが求められる。
ふと。
『走り出してしまった会社シリーズ』を作るのはどうか。
第一回目は自分が寄稿しようか。
と思ったらそんな葛藤を書き留めたのが、本ブログの[私の原点]「私の原点」の検索結果 - 藤野の散文-初春、大寒、啓蟄だった、と気付く。
30回もエントリしている。
けっこう、悶(もだ)えてきたのだ。
当たり前のようでいて
そして、いっとう若い世代に伝えたい。
浅薄にならず。
目先に終始せず。
天職を探す。
金ありき、では続かぬ、遺らぬ。
畢竟、正直ありき、精進ありきでしかない、と。
即効性はないが、これだって後世に伝えたい大事な経験だ。
ある阿呆の独白。