藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

もう一つの神の目


こちらは、梅田さんの指摘する方の「目」か。


アマゾンがユーザの「買い物指向」を自動収集するプロセス特許を出願。


収集する項目は

このプロセスで収集できる情報には、「誕生日、関心、職業、学歴、所得水準、所在地、人種、民族、宗教、性的指向」が含まれるという。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0608/14/news025.html



アマゾンは特許を出しただけ、で「導入しない」と言ってるが、ともかく。


梅田さんは自著「ウェブ進化論」での最初の指摘。

(前略)

しかし同時に、こうしたネット事業者は、一〇〇万人単位とか一〇〇〇万人単位という、ほぼ不特定多数無限大と言ってもよいほど厖大な量の顧客が、「そのサービスを利用して何をしているのか」についての情報(誰が何をいくらでいつ買ったか、どんな記事を読んだか・・・・・・)をすべて自動的に収集できる。情報収集コストや情報保存コストが限りなくゼロに近づき、厖大な情報を処理するコストも下がったため。収集して保存するだけでなく、「全体を俯瞰する視点」でその顧客世界「全体」をまるごと分析し、「全体」として何が起きているのかを理解できるようになった。


(中略)


厖大な量のミクロな「動き」を「全体」として把握することが「神の視点からの世界理解」である。

(ウェブ進化論p35-36)


まあアマゾンは結構な大きさの神、だと言ってよい。


買い物するユーザの情報は厖大。


そういえば、最近はおすすめ案内、のメールを見て注文することが多くなった。


ユーザがまあ欲しているサービスだからいいようなもんだが、アマゾン側「全体」を想像するとちょっとぞっとしない。


「ヒット商品」とか「ベストセラー」なんかもそこから作り出せるかもしれない。と、それはまた別の問題か。


その人が欲しそうなモノばかりを、自動的にどんどん薦める「小さな神」。


まあ自分がしっかりしてなければ、ますます「売る側の意図」に乗ってしまう、ということだろうか。



なじみの書店の店主が「これいいよ」と薦めてくれるのは嬉しいのに、プログラムがやってると思うと途端に味気ないものだ。(妙)