藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

アクターズ・スタジオより


ハリウッドの名優の素顔が垣間見れる、ジェームズ・リプトンの名司会。
アクターズ・スタジオ・インタヴュー。





100回目?のアニバーサリで、ダスティン・ホフマンの出演。

ユダヤ系の家系に生まれ、19才で演劇を始める。
ジーンハックマンらと共に下積みを重ね、30才で映画「卒業」に主演。
アカデミー主演男優賞の候補に。


その後十数年を経て79年に「クレイマー・クレイマー」でついにアカデミー賞を受け、「レインマン」で二つ目のオスカーを手にする。
受賞候補になること実に七回。

下積み時代にも、いかに諦めず、さぼらず、ひた向きに目標に向かうか、という人柄がうかがえる。
パッと出の幸運ではない、地道な修行の中のいくつかのプロセスが、結果幸運をもたらした、と語る口調には派手さはないが、ずんと重いものが宿る。


絵にかいたようなアメリカン・ドリームの俳優に、夢見る学生が質問する。

  • なぜ、あなたは演じるのですか?

それまでは穏やかに、ジョークを交えて過去を語っていた顔が一変。
厳しい。

『(アクターは)何も考える必要はない。
叫ぶ!笑う!
声を出すだけでいい。


演じる、と思って「こけおどし」や過剰な身振り、手振りもいらないんだ。
拳銃はもう、持っているだけでいいんだ。
振り回すことはない。


そこにリアクションが必要なのは、相手の方だよ。』

俳優は、一流になれはなるほど、その時に「どれほど演じる、という?業?から解脱した演技ができるか」


ナチュラルな、しかし本質をついた質問に応える小柄な俳優の姿は、まったくUCLAで学生に熱弁する教授のように、力強く、また厳しいものだった。
俳優、という職業の奥深さか垣間見れたインタビュー。


こういう雰囲気を導き出せるのが名司会者、ということなのだろう。