藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

何が基準か。


「ベァリィ」。
最近自分の好きな言葉の一つ。

vary
【自動】
変わる、変化{へんか}する、異なる、さまざまである
・Temperatures vary from day to day. : 気温は日によって変わる。
Windows capabilities vary depending on the processor and memory setup on your computer system. : Windowsの処理能力は、コンピュータに組み込まれているプロセッサとメモリによって違ってくる。

たばこについて。


スモーカーは間違いなく受難。
ほんの数年前はここまでではなかったのに、今や公共の場、主要道路沿い、タクシー、電車や航空機内、あらゆる所で禁煙が常識化している。


そして昭和6-70年代の邦画を見ると、人前でまったく当たり前のように喫煙する男女がいるのは、まるで時代劇を見るようだ。
常識、というのは割合短期に変わってしまうようだ。

喫煙者が減れば、受動喫煙などの問題が解決するので、健康面で国益になる(京都・男性)

そして依存派・

1000円になれば、(吸いたいという)その気持ちにストップをかけられると思うので値上げに賛成だ

そして、反発派。

たばこは嗜(し)好(こう)品のはずなのに、富裕層しか吸えなくなるなんて納得できない


正統派もいる。
「正当化派」かもしれぬ。

トラック運転手の主人は仕事中に眠くなると、たばこを吸うようだ。
原油価格の高騰できつくなってきているのに、たばこの値段まで上がってしまったら、家計は追いつめられてしまう

たばこの値段が上がったら、居眠り運転の温床になるとでもいうのか。
そして他者迎合派。

周りの人が吸わなければ禁煙できると思うので、1箱1000円になり、禁煙者が増えることには賛成だ

そして、値段異存派。

学生時代から喫煙し、妊娠中も、がんで入院中も、やめなければと思いながら禁煙できなかった。
1000円に値上げされれば、喫煙の歯止めになりそうだ


正論派ももちろんいる。

私は喫煙者だが、他人の干渉で自分の喫煙を改めるつもりはない。
愛煙家の楽しみを奪う権利が、政治家にあってはならないと思う


そして、理論派。
これは一理ある。

庶民のささやかな楽しみでもあるたばこだけに重税を課すのは不公平だ。
強行するのならば宝飾品や高級車、酒やゲームも同じく増税すべきだ。
喫煙者のマナーの悪さを言うなら、酒飲みのマナーも指摘されるべきだ


酒飲みもいずれルール化されるのだろう。
またそれはそうあるべきかとも思う。(ギクッ)


そして外国の人の進んだアドバイスもあった。

スイス在住・男性オペラ歌手(52)「値上げは喫煙者に対する差別ではなく健康に配慮した愛情と思えばいい。
ヨーロッパ各国の禁煙に対する取り組みに対して、日本は遅れているようにも感じる。
愛煙家の言いなりにならない法改正を切に望む」


畢竟。



いろんな「たばこ」への思いが交錯している今。
これだけの立場の人たちの「意見調整」がどれほど機能するかが問われている。


これだけの人のいわば「価値観」をどのような方向に導いていくのか。
結論は、喫煙でも禁煙でも、どちらでも良い。


その過程と納得感を、国民は今求めているのだと思う。


喫煙、禁煙、どちらが正しいかではなく。
どんなルールをお互いが作り、守っていくか。


そこに踏み込んで調整せねば、為政者は着地点を間違うのではないか。


過去、自分もスモーカーであり、また今は喫煙者に同情する一人として、そんな思いがするのだ。