藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

心痛むニュースより

東京都立墨東病院を含む8病院に受け入れを断られた妊婦(36)が死亡した問題。


つい「行政」の日常に追及がおよび、また「言い訳」が出てくるのが常。
それが何だかこんなコメントを聞くと胸が詰まる。

最後まで誰かを責めるような言葉はなく、むしろ、口にしたのは感謝の言葉。
「医師や看護師は本当に良くしてくれた」。
妻は息子を産むと、7日夜に息を引き取った。
直前、病室に息子を運んでもらい妻の腕で抱かせてもらえた。
親子水入らずの時間はわずか30分。
しかし「温かい配慮をいただけた」と振り返る。


 妻はベビー用品を用意したり「パパが帰ってきたよ」とおなかに語りかけたり、赤ちゃんを楽しみにしていた。
「信頼できる、優しい人だった」。


妻との思い出を語る時、少しだけ柔らかな表情になった。


もとより、いたましい事件。
ただ、遺族のこの思いこそが「次に」真に活かされて欲しい内容か。


2008-10-23


すでに色々な角度からの検証は始まっている。
都知事の会見もあった。


医師の戦力ダウン。

脳外科医:2人
産婦人科医:2人
新生児科医:1〜2人
麻酔科医:1人以上

が必要だったとの指摘もある。


公共サービスの「すき間」はいつも発覚してから論議の的になる。
また勢い、その中身は「犯人探し」と「言い訳」ばかりに。


本論で「何があれば防げるのか」について総花的な議論でなく、検討したい。
「やるせない」と思い、もやもやして終わるだけの報道は次につながらない。


「行政との闘い」は何だか魔窟へ入り込むような不気味さがあるが、ここ一番、真剣さを持ちたい。


最近、最も気になる報道より。