藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

F1中止。


トヨタが自身の経営する富士スピードウェイでのF1開催を中止するという。
残るはホンダの鈴鹿サーキットのみ、ということらしい。
単に企業の「好況不況」の中の一ページのようだが、そうでもなく見える。


自分が日本にいるからかもしれないが、F1がもっとも成熟したのは1980-90年代だと思う。
それは、2010年を迎える今とずい分違ってまだ自動車産業そのもの、について先行きの暗い影は兆しもなかった。


そんな時代に、「モータースポーツの頂点」と表現されたF1がその「象徴としての任期」を終えようとしているように見える。
二十世紀の産業を象徴する自動車。
その栄光を象徴する祭典であったF1。
スピードと耐久性を追求し、極限まで追い求めるプレイヤーの姿は人々を熱狂させたが。

二十世紀産業発展のシンボル、自動車産業は二十一世紀の最初の十年でメインステージから降りてゆく。


次のステージの主役はまだ見当たらないが、だからといって老いた輩が舞台を繋いでいては、後継も育たぬだろう。

というかこの手の話の展開の常として、「次の主役」なるものは予想されるところからは出てこない。
というか、もう二度と化石燃料ペースのこれまでのような形態での発展はないだろうから、予想通りの主役、はもうあり得ないのだろう。

次は「ひとりの主役」が活躍する舞台ではなく、大勢のタレントが「チーム」を表現する、しかもロハスな演目だろうか。


いずれにしても、主役の交代は静かに、でも確実に進んでいる。