藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

道具と脳の関係。


ある日、音楽レッスンの先生に借りたシャープペン。
む。
何か書きやすい。

そういえば自分は大学の卒論を「筆記具の性能と顔料(インク)、および紙質の及ぼす思索内容への影響」

としようとして、担当教授に「経済学と関係ないから」とやんわり固辞された経験の持ち主であった。(嘆)
それ以来この類のテーマはずっと脳内のある個所にひっかかったままなのである。


思えば幼少時から文房具を好み、まだはっきりと喋れぬ頃から「ぼんぼり(文房具)屋さんへ行きたい」と口走るほどだったので、ついたあだ名はそのまま「ぼんぼり屋さん」であった。(嘆々)


それはともかく。
「筆記具と紙」というのは「思考」ということと密接にかかわっている、と今でも確信している。
筆記具の重さとか、
重心のバランスとか、
芯の硬軟とか、
インクの粘度とか、
手にした時の「各部の遊び」とか、
筆記具表面の材質とか仕上げとか、もちろん
太さとか。


これまでにも安いシャープペンシルに始まり、
万年筆、
多色ペン、
多機能ペン、
専用ボールペン、


また材質もステンレス、
アルミ、
チタン、
天然木、
ウイスキー樽(何これ)、
エボナイト
ゴムやシリコン系のもの、
など数多く試してきた。


また紙もわら半紙(今はとんと見かけない)、
薄い紙、はあまり好まず、紙幅の広い「厚手の紙」で、表面ができるだけ滑らかなものを好む傾向がある。
持論は、筆記具と、インクの滑らかさ、そしてそれをもって投写する相手である「紙」は、思考をする上では「抵抗なく滑らか」であればあるほどよく、逆にぎくしゃくした書き心地の筆記具は、「脳の自由な発想」を阻害するものである、と本気で信じている。


あーどうでもいい話ですみません。
でも、一度は書いておきたかったんです…


ただワープロを用いる文書作成が主流になり、もうずい分「マイ筆記具探し」からは遠ざかっていたのだが。
そこで冒頭のような経験があり、改めて「最高の一本」を求めてみたくなった。
loft、伊東屋萬力屋など老舗文具屋を休日に回ってみる。(愉)


そして、再発見しました。
先生と同じ、メーカーはスタッドラー。(staedlter)
泣く子も黙るドイツ製。


集中的に幾つかのモデルを試すうちに、はたとあることに気付く。
どのペンも華美な装飾は一切なし。
それもともかく。

シャープペンも、多機能ペンも「重心」が絶妙な配分なのである。
ちょうど書く構えをした時の「親指と人差し指、そして支えである中指のど真ん中」に重心が明確にある。

そしてその形状。
高さの中心部から「少し下」の部分から先端部にかけて、「非常に緩やかな紡錘形」になっている。


何とも表現しにくいが、いざ「書くポーズ」になったときにピタッと決まる感じ。
まあ「手に吸い付く」とでもいおうか。


そしてさらに何本か試すうち、表面がマットなものが「滑りにくく、疲れにくい」ということも発見した。
さらに、機能的には0.5ミリのシャープペンに赤、黒のボールペン、そして蛍光インクのボールペンまで付いているというマルチ機能。

この一本で最強である。


今度伊東屋に行ったら、10本まとめ買いの誘惑に勝てない可能性が高いので、しばらく近づかないようにしようと思っている。
久しぶりに買い物で興奮したのであった。