藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

グーグル不動産。

不動産特有の憂鬱。

不動産、というくらいで動かない。
それにしても賃貸でも分譲マンションでもアパートでも一戸建てでも物件を選ぶのは困難を極める。
一人暮らし経験者か不動産購入をしたことのある人は、あの独特の「楽しさ半分、不安半分」の感覚は記憶にあるだろうと思う。


基本的に「公園の近くがマスト」とか「大型スーパーから徒歩五分以内」とか「自由が丘駅利用可」とかポリシーを決めておかないと、結構物件選びは軸がブレてしまうものである。
特に「そのうちいい物件があれば住み替えようか」などという潜在的な顧客にとっては、そういつもいつも物件探しをしているわけにもいかず、結果なかなか満足のいく引っ越しはしにくいものである。


さらに。
不動産屋、という媒体の介在がある。
それぞれにテリトリーとか、物件の扱い方法などの違いがあり、「自分の住みたい諸条件」を全部吟味して、提案してくれる不動産屋も存在しない。
未だに「良物件は地元の老舗不動産屋をまわれ」という諺は生きている。


そして。
大体の物件は分かっても「本当に内覧してみたいかどうか」というレベルにまで達した情報がウェブ上には上がっていない。
どこのデベロッパーのホームページも、その検索条件の設定からしてイケていないことがほとんど。
さらにその物件の諸設備とか、周囲の環境とか、その街のメリットデメリット、さらには近隣住民の声、などは聞くべくもない。

物件の統一地図。

分譲物件を探していた二十年前を思い出す。
あの頃は「週刊住宅情報」を定期購読するほど都内中の物件に目を光らせ、中古物件から、これからの土地開発計画まで、ほぼ一年中ウォッチしていたのがアホらしくも懐かしい。


さて。
googleが、いよいよ地図アプリに不動産を載せるという。
これは。
えらいことかもしれない。

基本的に賃貸物件の仲介をgoogleが一か所に集めれば、それが多分国内最大の仲介業者となり得る。

そしてその中身も、各物件や業者ごとにバラバラではなく、建物の外観、設備、内観、条件、生活環境情報、福利厚生情報、街並みについての考察、そして食べログならぬ「住みログ」までつければ、これは消費者には有難い物件サイトになるだろう。
むろん情報収集という点では、売買物件についても同じ効果があるだろうし。

そうなると、今の「ある程度の情報を店内に溜めこみ」、「一部の情報を流通させて他業者と連携する」という

今の不動産仲介業の構造は根底から覆る可能性すら感じる。
電子出版の脅威は不動産でも起こるのではないだろうか。

何せ「消費者の隠れた不満」は厳然と存在するのだ。


不動産屋さんは、今すぐ「その後の世界」に対応できる策を立てておくほうがよいだろう。
変革は一気に訪れるものである。


グーグル日本法人は12日、地図上で賃貸不動産を検索できる機能を「グーグルマップ」に追加、同日からサービス開始した。
不動産情報サービスのジアースと協力し、100万以上の賃貸物件を検索してマップ上に表示する。
近くにある学校やスーパーなど、周辺の地理情報を重ねて表示できるのが特徴で、「家さがしをもっと楽しく」をテーマに開発したという。(アサヒ・コム編集部)


たとえば東京・品川周辺の物件を探している場合、グーグルマップの検索オプションで「不動産」を選ぶか、検索ワードに「品川 不動産」などと入れて検索する。
周辺の物件がマップにリストアップされ、建物の外観写真と家賃が表示される。間取りや広さ、家賃などの条件で絞り込むこともできる。マップを動かせば離れた地域も探すことができ、「小学校」「コンビニ」などの検索を追加すれば、それらの情報がマップに重ねて表示される。


「最寄り駅や家賃、間取り、周辺環境など、不動産を選ぶときの条件はとても多いんです。そういった多様な要素を同時に比較できるのが特徴」(河合敬一シニアプロダクトマネージャー)。


ジアースが保有する物件情報は約100万件で、全国の賃貸物件の3分の1を占めるという。両者間で金銭上のやり取りはないが、ジアースは自社の物件情報を広く公開できるメリットがある。
グーグル側は直接の収益にはならないが、「まずは検索サービスを充実される観点から導入した」としている。
ジアース以外にも協力先を広げる方針。


グーグルの不動産検索は米英やニュージーランドなどで始まっており、日本は6カ国目。
課題は、契約済みの物件をマップから消すまでの期間の短縮や、モバイルでのサービス提供、分譲マンションなどへの検索対象拡大で、WEB上でのサービスの使われ方を見ながら検討していくという。