藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

英雄色を失う。

IMFのトップを皮切りにシュワちゃん知事などへのキツい報道。
そして、完全なでっち上げ、でもない限りは、これらトップリーダーの「抑えがたい性癖」は何か「オスの本能」として政治的な指向と比例した「抑えがたいものなのか」という気さえしてくる。


「英雄、色を好む」は日本のことわざにもあるが、人権への厳しい衆目の中、いまだに「山賊感覚」で女性を扱っているのならば、そしりは免れないだろうと思う。
「これまでの文化」として、ある程度男性の、とくにリーダー級の首長の横暴は、ある程度認められ、またそれが「王権」とも受け取られる文化は、世の東西を問わずに存在したと思う。


覇権をもった帝国の首長は、代々その権力の大きさと、また権力維持のプレッシャーもあって「過大なわがまま」を当然のこととしてきたのだろう。
ほんの数十年前、いや現在でも途上国では「一夫多妻」はそれほど奇異なことではないし、その文化圏にとどまる限りは何の議論も差し挟まない。

いわゆる国際社会においては、「標準的にみて」問題なのだ、ということが取り沙汰されているのである。

二十一世紀の、今の流れは、そうした「過去の権力」においては不問にされてきた「不整合」な部分を明るみに出し、世の常識を照らして「糺してゆく」ということかもしれない。
むしろ、これまで習慣として「常識」とされてきたことこそ、見直されるべき対象なのかもしれない。


そういう目でみれば、自分たちの日常にも、いくらでも「再考すべき生活慣習」はあるものである。
男女だけではなく、親子、兄弟、友人、近隣、などの「関係の常識」は、これから新たに定義されてゆく者やも知れない。
とにかく、「片方の意見」が一方的に通る世の中ではなくなりそうである。
本当の民主化、とはそんな手間のかかるものなのではないのだろうか。
そして、そんな中でこそ、またリーダーシップは貴重な役割を果たすのだと思う。

頂点極めた英雄、女性も自由になると錯覚 背徳ドミノ 醜聞に重い代償
性的暴行容疑で訴追された国際通貨基金IMF)専務理事でフランス人のドミニク・ストロスカーン容疑者(62)が5月18日、IMF理事会に対し辞任を表明した。ストロスカーン容疑者は容疑を否認しているが、実質的に不祥事の責任を取った。古今東西、女性問題で地位を失った男性は枚挙にいとまがない。なぜなのか。


「それはみんなが知っている秘密だった。しかし誰も話さなかった」

5月17日付の英紙フィナンシャル・タイムズはそんな書き出しの記事を掲載した。

2002年、当時22歳だった新進の女性ジャーナリスト、トリスタン・バノンさんは、社会党のスターであるストロスカーン容疑者を取材するため彼の隠れ家を訪れた。インタビューは数分で悪夢と化した。バノンさんは下着をはぎ取られ、乱暴されそうになったのだ。

バノンさんは、母が当時、社会党の地方議員を務めていたこともあり、告訴を見送った。


07年、フランスがIMF専務理事候補にストロスカーン容疑者を擁立したとき、リベラシオン紙のジャン・キャトルメール記者がブログに「ストロスカーン氏の唯一の問題は女性関係だ。あまりに強引で、しばしばセクハラに近いこともする」と警告していた。


ストロスカーン容疑者の女性問題はその後も取り沙汰された。今回の事件を受け、「まさかあの人が…」と驚くフランス人はほとんどいない。


バノンさんは当時告訴しなかったことを後悔していると述べ、法的手段を取ることを明らかにした。


■英雄色を失う

「英雄色を好む」にも限度がある。隠し子がいることが発覚した米カリフォルニア州アーノルド・シュワルツェネッガー前知事(63)は、既に公職を退いているためスキャンダルによる打撃は限定的とみられるが、世論の批判は強い。


ロイター通信によると、ターミネーターと精液(スパーム)をもじった「スパーミネーター」というあだ名も登場した。


未成年買春などの罪で公判中のイタリアのシルビオベルルスコーニ首相(74)は支持率が過去最低の約30%に落ち込んでいる。15、16両日に実施された地方選で首相派は苦戦。首相のおひざ元である北部ミラノ市長選は野党候補との決選投票にもつれ込むことになった。


セックス依存症という病名を有名にした米ゴルファー、タイガー・ウッズ選手(35)もさえない。15日に終了したプレーヤーズ選手権を左膝の痛みなどで途中棄権。翌週発表の世界ランキングでトップ10から14年ぶりに陥落することが確実になった。


■頂点を極めると錯覚
フランス通信(AFP)はこうした人たちの性的行動について識者の分析を紹介している。

米ロサンゼルスのセックス依存症の専門家、シャロン・オハラ氏によると、頂点を極めると「自分は欲しい物を欲しいときに手に入れる力を持っている」と錯覚し、女性も自由になると思い込むことが多いという。


もちろん、こうした問題は著名人だけでなく、どのような組織のトップにも起こり得る。性的障害の専門家、ロバート・ワイス氏は「ある種の不死身感と絶え間ないプレッシャーなどが合わさると、感情のバランスを崩し、築き上げた地位を台無しにしてしまうことがある」と話す。(SANKEI EXPRESS)