藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

水と身体。

硬水はダイエットにいい、というモデルさんがいるかと思えば、「水の取り過ぎは毒である」という東洋医学の御仁もいた。
またダイエット、にはカロリーコントロールが重要である、という常識には「糖分のコントロールこそが現代人の健康管理のポイントだ」という。
そういう「民間療法」的な"アプリケーション"から見ると、実に「全生活的」な健康管理方法というのは、まだ確立されていないな、と感じる。


またガンや致死率の高い病についても「突出して治癒率の高い病気」は顕著だけれど、それ以外のガンや成人病については、未だ諸説が乱舞し、またそれに吊られて、素人の民間療法が跋扈する、という状態が続いているようである。


そんな中、原発の問題とも相まって「水」の重要性が改めて問われている。
EUに多い、いわゆる硬水、というのは日本人にとっては思ったほどよくなく、むしろ「摂取障害」を起こしているらしい。
そういわれれば、芸能界などで噂されるという「硬水を飲んで下痢をしてスリムになる」というのは、どこか不自然さを含んでいるということなのだろう。

断糖にも。


さらに、自分も実践している「ローカーボ」にも影響するようである。
(実際、水分の摂取量は"それ以前"より確かに二〜三倍増えている。)
一グラムの糖分抑制には、「三グラムの脱水」が伴う、というのである。


実践者としては、非常に思い当たる内容なのだが、それも「今この時」に知らさせている、という事実に驚愕する。
つまり「体に良い水を飲むこと」とか「ダイエットに水を利用すること」とか、他の健康法(例えばローカーボ)と、それ以外の「日常の生活習慣」とは関係が深く、一概に"この食生活さえ実行すれば"という「これだけ主義」の健康法は、意外に適用範囲が狭いかもしれないこと、を多くの民間療法は示していると思う。


「このヨーグルトさえ飲めば」とか「このティラピス代謝が上がる」というのは、完全な間違いではないにせよ、"それだけで全てが好転する"という魔法のツールなどではありえないのだ、と自分たちはまたこの「現実の世界の中」で再認識せねばならない。

『決定的』と思えるものほど、実は疑わしい。

という人類の過去の叡智を自分たちは忘れてはならないのだろう。
常に、一方的で全面的に正しい正解はないのだ、ということを改めて心に留め置きたいと思う。

ミネラルウオーターと硬度 水への過信にご用心
原発事故の影響で一時、「乳児の粉ミルクは、硬水のミネラルウオーターを避けて」といわれました。また「ミネラルウオーターでダイエット」という声も、聞くようになりました。水の硬度は、体にどのような影響を与えるのでしょうか。

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同志社大学スポーツ健康科学部の石井好二郎教授(運動処方論)を訪ねた。「なぜ、『ミネラルウオーターでやせる』という話が出てくるのか。硬度の高い水を飲み、下痢をする。それは、やせるのではなく、やつれているということです」と説明する。


水の硬度は、水1リットルに溶けているマグネシウムとカルシウムの量で決まる。マグネシウムなどが少ない軟水に慣れた日本人は、多い硬水を飲むと下痢気味になりやすい。脱水症状を起こして、やつれた状態になる。その結果、体重が減る。


石井教授によると、五輪選手は、ミネラルウオーターの硬度にまで気をつけて、コンディションづくりをするそうだ。


炭水化物をとらない糖質抜きダイエットと水も関係がある。


体の中に糖を蓄える際、糖1グラム当たり水3グラムがつく。つまり、糖1グラムを抜けば水3グラムも抜ける、ということだ。糖を控えると、体の水の蓄えも減って体重が落ちる。しかし、体重が落ちても、脂肪を使っているわけではないので脂肪は残る。


脳はエネルギー源として必ず糖を必要とする。糖を控えると体の中で糖をつくらなければならない。脂肪から糖をつくることはできないが、たんぱく質から糖をつくることはできる。その結果、筋肉が落ち、脂肪が残る。石井教授らが、大学などで242人の女性(平均年齢20歳±2歳)を調べたところ、標準体重である者の4人に1人が体脂肪率が30%以上の「隠れ肥満」だったという。

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旧厚生省のおいしい水研究会は1985年、おいしい水の水質要件の一つとして、10〜100ミリグラム/リットルという硬度の基準を示した。日本でも三重県内で採水されたミネラルウオーターには硬度300ミリグラム/リットルを超えるものもある。


東京医科歯科大学藤田紘一郎名誉教授(感染免疫学)は「硬度がとても高い水は、腎臓に負担がかかる。お年寄りは腎臓の機能が落ちているし、乳幼児は腎臓の機能が発達していない。こういう人たちは、なるべく避けた方がいい」と話す。


原発事故では一部自治体が、乳児の水道水摂取を控えるように呼びかけた。日本小児科学会などは共同見解で、粉ミルクをミネラルウオーターで溶かすことについて、「硬水には多くのミネラルが含まれており、乳児に過剰な負担を与える可能性があります。この場合には、水道水を用いる方が安全です」と注意を呼びかけた。これは、日常生活でも同じだ。


 水への過信に、ご注意を。(岩崎賢一)


 ◆インフォメーション

 水道水でも「おいしい水」への希求もある。旧厚生省の「おいしい水研究会」は1985年、水質要件を設け、水道水の向上に努めた。東京都水道局は2004年、独自の基準「おいしさに関する水質目標」(http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/tokyo−sui/tokyo_water_2010.pdf)をつくって取り組みを強めている。