藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

時代なりに。


この情報あふれるネット時代。
性の情報も例外ではない。
もうヘアの検閲がどう、とかいうレベルの話は誰もしなくなってしまった。
まだ頑張って「国レベルの検閲」を風俗や宗教について実施している一部の国を除き、「ある情報だけを流入させない」という情報の操作は極めて難しいものになった。


さて、そんなに情報過多の中なのに、思春期の青少年は悩んでいるらしい。
情報が多すぎるのか、それとも記事が指摘するように『子どもたちの発達段階に応じた科学的で具体的な情報が的確に提供されて』いないために、かえって「悩まされている」というのである。

それにしても、男性の悩みが「「包茎」 「自慰」 「性器」」に対して女性は「「緊急避妊」 「月経」 「妊娠・妊娠不安」」とはどういうことか。

男が真に身勝手に見えて、誠に情けない。
とほほ。


コラムの北村医師は言う。

年齢相当の大きさや形とは具体的にはどういう状態を指すのか。
AだのFだのとあたかもランク付けするかのような下着企業の戦略にまんまとはまって悩み苦しんでいる女子を目の当たりにしながら、子どもたちと身近に接している大人たちの指導力の無さを嘆かずにはおれません。

まったく。
少しずつでも、大人も勉強せねばならない。

悩まされている思春期の子どもたち
2010年度の電話相談実績をまとめたばかりです。1982年からスタートした「思春期のための性の相談」(電話番号03−3235−2638 毎週月曜日から金曜日の午前10時から午後4時)は、1年間を通じて243日間開設。数人の相談員が手分けして相談に当たっています。


相談件数は3,457件(男性1,410件、女性2,047件)。2000年度から同一番号に「緊急避妊ホットライン」を加えたこともあり、相談件数の男女比が逆転して10年近くが経過しています。年齢が判明している3,444人について、相談者の平均をみると23.0歳(男性17.4歳、女性26.8歳)ですから、思春期年齢だけが利用しているわけでないことは一目瞭然です。日本産科婦人科学会による思春期の定義に合わせて、「8歳から18歳」に絞り込んで相談内容を分析しますと、男性では「包茎」 「自慰」 「性器」が、女性では「緊急避妊」 「月経」 「妊娠・妊娠不安」がトップ3を占める結果となっています。


 相談者にリピーターがいないとは限りませんし、年齢を偽って電話をかけてくる場合も少なくないとはいえ、これらの相談が常に上位に挙げられているということは何を物語っているのでしょうか。知りたいと願うならばインターネットや雑誌などを通じて余りにも簡単に情報を入手することができる時代。それにもかかわらず、やはり一方的な質問と回答では納得のいくものになっていないのではないでしょうか。ある程度の専門性を持った相談員が当たる電話相談の存在意義は薄れるどころか、ますますそのニーズが高まっているように思われます。


 これらの経験を通じて実感していることは、思春期の子どもたちは悩んでいるのではなく、悩まされているのではないかということです。家庭や学校で、子どもたちの発達段階に応じた科学的で具体的な情報が的確に提供されていれば悩む必要などないのです。例えば包茎についてだって、割礼の習慣を持たない日本人の場合、包茎が当たり前であって、手術を必要とするものなどほとんどありません。亀頭が包皮に覆われていることが正常で、「皮かぶりは包茎、剥ければOK!」程度のメッセージをおくることはことさら難しいことではないのに、それを怠ってしまうから、子どもたちを混乱させ、悩ませてしまうのです。


 女子の乳房の大きさや形についても同様なことが言えます。二次性徴の発現に伴って乳房はどう変化するのか。年齢相当の大きさや形とは具体的にはどういう状態を指すのか。AだのFだのとあたかもランク付けするかのような下着企業の戦略にまんまとはまって悩み苦しんでいる女子を目の当たりにしながら、子どもたちと身近に接している大人たちの指導力の無さを嘆かずにはおれません。


 メディア・リテラシーという言葉があります。メディアが発信する情報を鵜呑みにしないで、読み解く能力を身につけることです。そうすれば、批判的な態度でメディアと対峙(たいじ)することだって難しくはありません。