藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本当のサマータイム。

堅気の方はあまりご存じないかもしれないが、居酒屋や立ち飲み屋には「ハッピーアワー」というのがある。(もうちょい堂々と言えるネーミングにしてもらいたいが)。
午後7時までに入ると、ビールが格安、とか飲み放題とか。


自分の行きつけの居酒屋に異変が起きていた。

「かたまり」で変わる習慣。

いつもより早め。
午後7時少し前に店に入る。と思ったら入れなかった。
「満席です。」
「??」
聞けば、五月以降どんどん「スタート」が早くなっているという。
「もう五時スタートの予約とかが多くて・・・」
何だかイタリアみたいなこの動きは何だろう?


お店の人に聞けば、近くの大手商社がすでにサマータイムを導入してるのだという。
標準的な社員は午後四時半に仕事が終了するのだそうだ。
その代わり、朝は早いので「遅飲み」はしないという。
五時ごろから八時くらいまで飲んで、さっさと電車で帰宅。
しかもそんなライフスタイルが、結構経済的なのだという。

飲食店はハッピータイム割引。
早めに飲んだお酒は酔いも早く。
そして早めにご帰宅。

どうりで銀座も夜九時を過ぎると、俄然、閑散としている。
夜十時から参集して、深夜まで大騒ぎ、というこれまでのスタイルはもう古いのかもしないなぁ、などと思う。

早勤め、早上がり、早飲み、早帰り。
そして早寝、早起き。

これまではなかなか変えようのなかった"宵っ張り文化"が一気にその様相を変えているようである。
色んな出来事が、世の中には起こっている。

夏時間で飲み会も早く 変わるサラリーマンの街、新橋
にぎわう早朝コンビニ、午後4時にはビアホール満席

 企業のサマータイム導入で人々の生活が変わりつつある。変化に合わせて新しいサービスも生まれている。サマータイムで何が変わるのだろうか。サラリーマンの街として知られる新橋周辺を歩いてみた。


■午前6時20分 にぎわう早朝のカフェ

新橋駅前の人はまだまばら。蒸し暑く体感温度はすでに30度を超えている気がする。銀座方面に少し歩き、午前6時30分に開店したカフェ「プロント」に入ってみる。あっという間に席は埋まり、出勤前のサラリーマンが新聞を手にコーヒーを飲んだり、モーニングセットを食べたりしている。常連の男性(63)は「最近は早い時間から混むようになった」と話す。

同店を運営する外食チェーンプロントコーポレーション(東京・港)はサマータイムをにらんで6月1日から東京都内のオフィス街などにある約80店で15〜30分、朝の開店時間を早めた。6月の朝食時間帯の売上高は5月に比べて5%以上増えたという。


■午前7時45分 コンビニは朝食特需


新橋駅前のSL広場に向かう。サマータイム始業時間の午前8時に合わせて会社に向かう人たちが続々と駅から出てくる。40代の女性は「電車がすいていると期待したが、どの企業もサマータイムを導入しているからか、いつもと変わらなかった」とがっかりした様子。地下鉄駅員に聞くと「最近はサラリーマンらしい人が朝早い時間に増えている」とのこと。

コンビニをのぞいてみると、サンドイッチやおにぎりなどを買い求める人でレジが混雑。男性会社員(36)は「これまで朝食は家で食べていたが、起きられなくて――。これからコンビニでの出費が増えそうだ」と苦笑い。

ファミリーマートは「朝のピークは通常午前7〜8時だったが、最近では6時台になってきている」と説明する。新橋周辺の同社の店舗では朝食需要に対応し、サンドイッチやおにぎりなどの供給量を増やしているそうだ。


■午前11時30分 意外にも昼食ピークは12時台のまま

日差しが一段と強くなり、昼食を取るために汗をかきながら飲食店に向かう会社員の姿が増え始めるが、まだ多くの店には空席が。昼休みが11時からになったという会社員のグループは「店では待たずにすぐに座れるので、慣れればいいかもしれない」と話す。しかし、こうしたグループは少数派で、お客が増えるのはいつもと変わらない正午すぎ。新橋に本社がある住友金属鉱山サマータイム制を導入したが、昼休みは据え置き、正午からのまま。他にも昼休み時間帯を変えない企業は多い。昼食事情に変化がない背景にはこんな事情があるようだ。


■午後3時 いざ居酒屋タイム
冷たいビールが恋しくなったころ、SL広場にほど近い居酒屋が営業を始めた。「B級グルメ村ギン酒場」の新橋外堀通り店は、これまでランチタイムが午前11時〜午後3時、居酒屋タイムが午後5時からだったが、2週間ほど前からランチを午前11時〜午後2時、居酒屋を午後3時からに変更した。月野秀敬店長は「午後3時すぎにワイシャツ姿の人が来店し、涼みがてらビールを飲み始めるようになっている。営業時間変更がヒットした」と話す。


■午後4時30分 ビアホールはほぼ満席

だんだんと、新橋駅に向かう仕事帰りらしき人が増え、駅周辺はハンカチで汗をふきながら歩く人でごった返してきた。ビアガーデンでおなじみの「ビヤホールライオン」をのぞいてみると、すでに仕事帰りと思われるサラリーマンで満席に近い状態。「これまでも午後5時すぎには満席になることが日常的だったが、最近は午後4時30分には満席になってしまう」(支配人の徳長邦明さん)
外堀通り沿いに位置する立ち飲み店も帰宅途中のサラリーマンで大にぎわい。近くに会社があるという男性(49)は「夕方はハッピーアワー割引もあるし、明るい時間から飲むのは気持ちいい」と笑顔。もっとも営業時間の前倒しに踏み切れない飲食店も。「営業時間を早めることで生じる人件費や管理費などコストの増加が見合うかどうか」(大手飲食店)という懸念もぬぐえないようだ。


■午後5時30分 中国語学校に通う人も
まだまだ明るいが、新橋駅に向かう人の流れが一段と激しさを増す。60代の男性は「サマータイムで浮いた1時間は、直帰して家族と時間を過ごす」と急ぎ足。20代の女性は「サマータイムで朝が早くなっているので、早く会社が終わっても遅くまで飲んでいられない」と渋い顔だ。

新橋付近の中国語学校「ビズエイジア」をのぞいてみる。サマータイム期間向けに午後5時30分からの短期集中コースを設置したところ「6月末から体験申し込みが多く入っている」(野口晃一社長)という。同コースに申し込んだ会社経営の伝理奈さん(36)は「今までは仕事が終わるのが遅かったが、サマータイムをきっかけに、自分のために何かをしてみたいと思った」という。


■午後8時30分 飲食店での滞在時間短く

体感温度はまだまだ高い中、再びSL広場に行くと、ひと飲みしたサラリーマンの団体が続々と駅に向かって歩いて行く。飲食店の店員は「震災以降は特に、節電と自粛で早く帰る人が増えている」と打ち明ける。「店での滞在時間が短くなっているのが悩み」ともいう。

「たかが1時間、されど1時間」――。サマータイムで生活スタイルが変わり、先手を打って営業時間を変更するなどした飲食店や語学学校などに効果が出ているのは確か。第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「サマータイムの導入で、これまで行けなかったところに行けたり、時間的にできなかったことができるようになったりする。サービスや外食産業などにはビジネスチャンスが増える」と分析。ただ「特需を捉えたところが勝ち、捉えられないと負ける」とも。さてあなたはサマータイムをどのように活用しますか。

(電子報道部 岸田幸子)