任天堂が、二万五千円の低下を、実に一万円値下げするという。
それだけ事態は逼迫しているのであろう。
数年前に、日本最高益を叩きだしていた企業の様子がこれである。
息つく暇もない。
結局はこういう山あり谷ありの「修羅場をどれだけ潜り抜けて来たか」が、その企業の風土となり、性格や強さを形成してゆく、というプロセスはそのまま人間にも当てはまる。
というか、起業を形成している一つ一つの細胞は"人"であるから当然と言えばそれまでだけれど。
なのでその細胞であるところの"人"も修羅場や挫折をリアルに経験することなくして「本当の強さ」は身につけられないものである。
涙を流した数だけ優しくなれる…というような歌があったけれど、似たような原理だろうか。
お盆で人の少ない東京で、ふと考える。
3DS1万円値下げ、スマホと競争激化で大勝負
任天堂は11日、携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の価格を従来の2万5000円から1万円値下げした。販売低迷で、2月の発売後5か月余りで異例の値下げに追い込まれた。任天堂の苦戦は、日本が得意としたゲーム専用機がスマートフォン(高機能携帯電話)との競争激化などで、曲がり角を迎えている側面もありそうだ。
◆失速
11日朝、東京・秋葉原の家電量販店「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」では、値下げした「ニンテンドー3DS」を購入しようと開店前に約30人が列を作った。
3DSは、発売後約1か月の3月末までの世界出荷が361万台だったが、4〜6月の3か月間で71万台まで激減した。国内販売も苦戦し、2004年12月に発売した「ニンテンドーDS」のペースを大きく下回る。
3DSの不振は、3D(3次元)画像の魅力を伝えるソフト不足が原因とされる。ゲーム機本体が売れなければ、ゲームソフト会社がゲームの開発をためらう悪循環に陥る。このため、「値下げで普及のペースを取り戻したい」(岩田聡社長)狙いがある。
任天堂の11年4〜6月期決算の営業利益は初の赤字に転落。3DSの発売(2月26日)前に2万5000円台だった任天堂の株価は、11日は1万1430円にまで落ち込んでいる。
3DSの失速は据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」の後継機「Wii U」まで及びかねず、年末商戦に向け「大勝負に出た」(アナリスト)という。
(2011年8月13日17時26分 読売新聞)