藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

トップを雑務から解放せよ。

首相動静、などをみると、まあ忙しそうで暇がない。
東へ西へ、専用機でひた走る。
また大臣や幹部も世界中を飛び回る。

アメリカへはTPP参加。
ロシアとはエネルギー、医療、IT、核エネの協力。
EUには「EU債」の購入継続を表明。
中国には、互恵関係で「近海問題」の進展を図る。

必要な外交なのだ、ということだが。
どの国も「トップセールス」は重視している。
けれどG7とかG20とか、その他にもTPPだのASEANだの、そして個別の二国間訪問や協議など、これこそ国家元首の「公務」が犇(ひし)めいている。
だからわざわざ専用のジェット機で世界を飛び回るのだろうが、ちょっと「社長が動き過ぎ」だと感じるのは、外交とはそれほど「曖昧な部分」が大きく、だからこそ「その前提となる戦略」こそが重要だと思うのである。

今話題のTPP加盟(の交渉だそうだが)についても、まず「環太平洋とどう対峙するのか」という話が政府としてはっきりしない。
巷のマスコミや業界団体、識者が「農業は壊滅する」とか「食物持久力を上げろ」とか「エネルギーが優先だ」と、自分の席から発言するばかりで、全体を取り仕切ってまとめる人がいない。

マスコミがそんな役割をすべきだと思うが、あまり機能している感じもなく。
「TPP交渉への参加がどこまでの義務をもたらすか」ではなく、「もし加盟したときの各産業を日本はどう扱うのか」ということこそが本筋の議論である。

どのみち、「参加したらコメ農家へは補助金でずっと補てんする」というのではそもそも日本は「コメとどう付き合うのか」ということが全く語られていないのである。
将来的には競争力のある、安全な豪州米を食うべし、ということなのか、それとも徐々に競争力を付けて「再び日本米」ということを目指すのか、それなら合理化や他国との競争をどのように研究すればいいのか、そしてその目標は何年後なのか、ということを国民や、日本の農民にビシッと説明せねば、いつまで経っても「我が国の農家が滅びます」という一時的な表現に終始するばかりである。

リーダーが示すビジョンは、最初は反対されることが多い。
けれどリーダーなど、それを示すために存在しているようなものではないか。

日本丸の目指すところを、今のリーダーたちは恐れなくバンバン提案し、逆風ありきで国民に示していくことが必要である。
そのうちに保護主義一辺倒の政治家やマスコミの風向きも変わってくるだろう。
「継続した、強い信念の声」には誰しも一目を置くようになるものである。
今の首相になら出来るのではないだろうか。

自分には、今が潮の変わり目だという気がする。

首相、TPP交渉参加方針伝える 米大統領は「歓迎」
野田佳彦首相は12日正午(日本時間13日朝)、米ハワイで米国のオバマ大統領との会談し、環太平洋経済連携協定(TPP)について交渉参加の方針を伝えた。

 野田首相は会談で、「交渉参加に向けて関係国との協議に入ることとした。1年前の横浜での日米首脳会談以降、東日本大震災があり、慎重論も強まったが、日本を再生し、豊かで安定したアジア太平洋の未来を切り開くため、私自身が判断をした。大統領の協力を得たい」と話した。

 これに対して、オバマ大統領は「決断を歓迎する。これからの協議を通じて日米の協力を進めていこう」と応じたという。

ロシアの経済近代化に協力 枝野経産相が覚書締結
枝野幸男経済産業相は12日午前、米ハワイでロシアのナビウリナ経済発展相と会談し、ロシアの経済近代化政策の推進に日本が協力する覚書を結んだ。

 メドベージェフ大統領が2009年の年次教書で経済近代化を提唱。(1)エネルギー政策(2)医療(3)宇宙・通信(4)IT(情報技術)(5)核エネルギーを優先分野に挙げている。

 枝野氏は会談後、記者団に対し、「わが国の省エネ技術などに対するロシアの期待は大きい」と話した。

野田首相、中国主席と会談 戦略的互恵関係の深化で一致
 野田佳彦首相は12日午前(日本時間13日早朝)、米ハワイで、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席と初めての日中首脳会談を行った。野田首相は「日中関係はアジア地域や世界において大変重要な関係だ。大局的な観点から日中関係を安定的に発展させることが必要だ。中国の発展は日本にとっても大きなチャンス」と述べた。両首脳は来年の日中国交正常化40周年を踏まえ、戦略的互恵関係の深化を図ることで一致した。

 会談で野田首相は「東シナ海を平和・協力・友好の海にしたい」と述べ、同海でのガス田共同開発について「条約締結交渉の早期再開が必要だ」と強調した。胡錦濤氏は「交渉再開に向けた意思疎通を続けていく」と述べた。

 両者はまた、野田首相の年内訪中と、玄葉外相の早期訪中を実現させるために協力することを確認した。