藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

カネと無縁でいるために。

今や中小の飲食店のミシュランとも言われる食べログに、「やらせ業者」の活動があるらしい。
もともと、ある種の「口コミ」がメインのサイトが、「業界の格付けの力」を持ってしまったから仕方ない。
自分の周囲にも「食べログ4点の店を選びました」とか「3.5点だけど、女性の受けはいいです」と実質の選択基準にしている人は多い。
書籍も出版されている。

もとより、「風評」がデジタルによって集まり、いつしか「世論になってゆく過程」で、利益目的の業者が入り込んだ、という話である。

世論とか、風評とか、は"それ自身"が"それほど危ういものである"ということが最も認識すべき性質ではないだろうか。
「そのお店が美味しいか、とか接客がよいか」ということよりも「あるインパクトのある意見」がほぼ全体の流れを決定してしまうことも十分起こりえるのである。
それらの「プラスとマイナス」が同様に起これば、「これもまた経済原理」とも言えるが、いかんせん、「経済力を持ってしまった存在」には今回のような"やらせ的"な事象がおこりやすいのである。

防ぐ方法は何だろうか。
自分は、それはやはり「信条」ではないかと思う。
それは「経済合理」の上を行く概念であり、お金よりもプライドが優先される世界である。
かといって、昔の武士のように「ただ身分が高い」というような理不尽さでもない。

実は、人の人生において「カネよりも大事なこと」を見出すのは尋常ではない。
「この世で一番大切なお金のこと」という本もベストセラーになるくらいだから、「そういった存在」に気づき、そして「さらに追求する」という不断の姿勢がないと、この食べログ事件のような浅はかな話になるのだろう。

既存の、巷の価値観よりも優位な、「自分だけの矜持」をいかに備えるかが、これからの生き方にも重要な出来事になってゆくだろう。
ぜひそんなことを若手に感じ取ってもらいたいのである。

食べログ」にやらせ投稿 カカクコムが法的措置も
39業者特定 飲食店ランキング上げる狙い

価格比較サイト大手、カカクコムが運営する人気グルメサイト「食べログ」で、金銭を受け取って飲食店に好意的な口コミを投稿するなどし、ランキングを上げようとする「やらせ業者」が水面下で活動していることが4日、分かった。同社は昨年末時点で39業者を特定。評価システムの改良など対策を強化し、悪質な業者に対しては法的措置も検討する。

 関係者によると、やらせ業者は飲食店への訪問や電話などで食べログへの口コミ投稿を「営業」しているもよう。カカクコムは昨年1月からこうした業者を把握し、事実確認やサイト内で注意を呼びかけてきた。

 食べログは利用者が投稿した飲食店への評価などを集計し、5点満点で点数を表示するほか、店に関する口コミなども紹介する仕組み。カカクコムは独自の評価システムを導入して不自然な投稿を排除したり、担当者による口コミの内容確認なども進めたりしているが「やらせ投稿を完全になくすのは難しい状況」(同社)という。

 同サイトは昨年11月の利用者が約3200万人で、グルメサイトとしては国内最大規模。同社は今後も自社での対策を強化するほか、行政などと連携し不正行為の防止を徹底したい考えだ。