藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ついにバーチャルからリアルへ。

弱冠17歳で女流名人になった里見香奈三冠が、ついに女優四冠となった。

梅田望夫さんが予想した、ウェブの"梃子"を利用した、いわば「知識無制限型」の世代の台頭が本格的に始まった感がある。

里見さんといえば、島根県に居住しつつネット上の将棋対戦でも腕を鳴らし、最年少のタイトル記録を次々と塗り替え続けてきている。
ネットが"距離の制限"をなくし、特に若者に無限の知識を供給した場合の「ある試み」を表しているのだと思う。
16歳でタイトルを獲得し、屈託のない笑顔を見せてくれた高校生は、二十歳で四冠王になっていた。
この度も王位相手に三盾(三連勝)で勝ち上がったとのことだが、男性棋士の羽生名人同様、突き抜けた勢いを持っている。
それほどの歴史が、まだインターネットにあるわけではないが、

若者に無限の知識を得る機会を与えたらどうなるか?

という問いへの、ベストアンサーの一つではないだろうか。
同様のことが、音楽とか、数学、物理とか、あるいは文学とか歴史の世界でも起こってくるのではないだろうかと思う。

幕末期の混乱期と現代はよく対比されるが、圧倒的に「情報処理」については現代が恵まれている。

そうした「情報制限のない、初の世界」からどのようなものが生まれてくるか、ということはこれからの我われの楽しみでもある。

そしてそれは、そうした情報を遺す側である自分たちの、「アナタは何を遺すのか」という宿題でもあるのだろう。

ああ。

里見名人、最年少で女流四冠に 史上2人目
将棋の第23期女流王位戦五番勝負の第3局が23日、福岡県飯塚市の旧伊藤伝右衛門邸で指され、後手の挑戦者、里見香奈女流三冠(20)が甲斐智美女流王位(28)を120手で破り、3連勝で女流王位を奪取した。里見は女流名人、女流王将倉敷藤花と合わせ、史上2人目の女流四冠となった。

過去には清水市代女流六段(43)が27歳時の1996年と、98年に女流四冠を成し遂げている。当時は女流タイトルが4つしかなく、6つある現在とは事情が異なるが、20歳の里見は最年少記録を大幅に更新しての達成となった。

終局後の記者会見で里見女流四冠は「ホッとしている。応援してくれている人たちのために結果を出せたことがうれしい」と心境を語った。