藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ネット社会への配慮。

イランの原子炉に侵入した不正プログラムとか、国防メーカーの情報漏えいなどに比べると、pcを乗っ取り、テロの予告をする、というのは簡単な部類だと思っていたが、世間の反応は大きいようである。
まあ逮捕者が誤って出ているくらいだから当然だが、それにしても"コンピュータとアナログ情報のミックス"が、リアルな日常への脅威をもたらし始めているということかもしれない。

今回も、騒動の中核にいたのは「作成者不明のソフト」である。
winnyのようなファイル交換ソフトも猛威をふるったが、それにしてもごく簡単なプログラムも、他人の端末に入ってしまえば「恐ろしいメッセージ」をネット経由で発信してしまうということが現実化してきた。

また、その犯行の手口もリアルな犯罪に似てきている。

ウイルス発信者は、代行板にはプライバシー保護を重視するスイスの団体が管理するサーバーを利用して書き込んでいた。2ちゃんねるでは、匿名性の高い海外サーバー経由の投稿は規制されているが、この代行板では利用可能という。

つまり、もう「ネットバンキング」とか「送金手続き」とどうようの注意を払わねば、第三者のつくったプログラムは「自分の部屋」で動き出す可能性があるし、またその手口も、いまのネットワーク社会では「遡っての調査」に限界がある。

ネットは便利さと同時に暗部も抱えている。
日常の社会と同様に、「使う以上は相応の慎重さとリスク負担の感覚」を持っていなければならない時代になっている。
またしかし、そうした配慮があれば、自分たちの日常には今後も非常な便利さをもたらしてくれるに違いない。

asahi.comより
「タイマーソフト希望」発端 PC乗っ取りの経緯判明

2ちゃんねる」を舞台にした感染までの流れ
 遠隔操作ウイルスに感染したパソコン(PC)からネット上に犯罪予告が書き込まれた事件で、大阪の男性のPCが感染する舞台になったネット掲示板でのやりとりの全容がわかった。希望するPCタイマー用ソフトを求める投稿をきっかけに、ウイルス発信者が第三者である「代行者」を通じてウイルスを仕込んだソフトへと誘導していたという。
 捜査関係者や情報セキュリティー専門家らによると、舞台になったのは2ちゃんねるで、スレッド名は「気軽に『こんなソフトありませんか?』」。
 このスレッドの閲覧者から7月26日午後7時過ぎ、「英単語を覚えるためにタイマーで時間測ってやりたいと思ってます キーボードでストップスタートができるタイマーありませんか?」と、タイマーソフトの紹介を頼む投稿があった。
 翌27日午後2時過ぎ、「これで需要は満たすかな? とりあえずキーボード操作は可能」とのソフト紹介の書き込みがあり、無料でダウンロードできるサイトのアドレスも記されていた。
 逮捕・起訴後に釈放された大阪府吹田市のアニメ演出家・北村真咲(まさき)さん(43)はこの書き込みに従い、ソフトをダウンロードし、PCがウイルスに感染したとみられる。北村さんのPCから大阪市のホームページに無差別殺人を予告する書き込みがなされたのは、2日後の29日午後9時45分ごろだった。
 ソフト紹介の文面を作ったのはウイルス発信者とみられるが、2ちゃんねるの別スレッドで第三者に投稿を頼んでいたという。
 別スレッドは「シベリア郵便局」(代行板)。ウイルス発信者は7月27日午後1時20分ごろ、ソフト紹介文を書き込み、スレッド「こんなソフトありませんか?」に貼り付けるよう「よろしくお願いします」と頼んでいた。この依頼を見た第三者が約40分後にそのまま貼り付けていたという。
 ウイルス発信者は、代行板にはプライバシー保護を重視するスイスの団体が管理するサーバーを利用して書き込んでいた。2ちゃんねるでは、匿名性の高い海外サーバー経由の投稿は規制されているが、この代行板では利用可能という。
 また、同じウイルスは、津市の男性(28)のPCからも見つかっており、同様の手口で感染していた可能性もあるという。ウイルス発信者には、海外サーバーと、事情を知らない第三者を利用して複雑な仕組みを構築し、身元の隠蔽(いんぺい)を図る狙いがあったとみられる。