藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

それが日本の生きる道。

nikkei onlineより。
こういう記事を見ると日本も捨てたものではない、という身びいき感を感じてしまう。
それにしてもアニメとか秋葉系のコンテンツのようなサブカルチャーも特有だが、
「(小型化とか高速化とかの)方向性の定まった改善」については、わが民族は血が騒ぐようである。

その核心は、それこそ執拗なまでに「もう少し何とかならないか」と考える。
という一転に尽きる。

もう既に、改良や工夫がされ尽くしたと思われる製品。
さらに上を求める、そうした一見理不尽な要求に対し、果敢に挑む、"そんなこと"にインスパイアされる民族が日本人なのではないだろうか。

それはシリコンバレーでインド人や中国人や中東の人たちが「世界をあっと言わせる事業に挑む」という姿勢とは根本的に違う。
改善こそが日本のお家芸、十八番(おはこ)、best performanceなのだろう。

今後の課題として、
こうした感性はかなり独特だと思うが、ハイブリッドに「細かな改善と大きな企画」をどう両立させていくか? ということが、二十一世紀の日本人の課題ではないだろうか。
実は日本人は「学べば」そんなことも習得してゆくのではないかと思っている。
(逆に「大きなこと」ばかり考える種族が改善に熱中することはないようである)

若い人にはそうした「複眼の意識」をぜひ持ってもらいたいと思う。

日本勢、スマホ素材で存在感 高い技術強み
クラレ住友化学、高機能材を増産2012/11/11 2:00ニュースソース日本経済新聞 電子版
 国内素材大手がスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などに使われる高機能材料を強化する。クラレは鮮明な動画の表示に必要なフィルム材を量産。住友化学は高速の無線通信などに使う半導体材料の生産能力を25%増やす。世界で3兆円市場とされる電子部品向け高機能材料では国内素材大手が高いシェアを持つ。米アップルをはじめスマホ端末では中国や韓国製が世界を席巻しているが、素材分野では技術力を持つ日本勢が国内で生産、輸出する構図が鮮明になってきた。
 米調査会社IDCによると、2016年のスマホの世界出荷台数は12億6千万台と11年の2.5倍に膨らむ見通し。タブレット(多機能携帯端末)も同3.7倍の2億6千万台に増える見込み。
 ただスマホ端末では米アップルなどが中国で組み立て、世界で攻勢。日本市場でもアップルや韓国サムスン電子のほか、中国製の端末が急増しており、国内端末メーカーの苦戦が目立つ。日本はコンデンサーなど電子部品で強みを持つが、汎用品では韓国や中国勢の追い上げを受けている。
 対して素材分野は長年培った技術力を背景に世界で高いシェアを誇っており、アップルやサムスン電子などスマホタブレットに広く採用されている。最近では端末の高機能化や軽量化のため素材に求められる性能も高まっており、素材大手は成長市場開拓の好機とみて事業拡充を急ぐ。
 クラレは液晶ディスプレー用の偏光板フィルムで8割の世界シェアを握る。今回はプリント基板用絶縁フィルムの量産を始める。動画を表示する大量のデータを回路でやり取りする際にデータの損失を2割削減。きれいな動画表示を実現する。
 西条事業所(愛媛県西条市)の生産能力を15年春までに今の15倍の年300万平方メートルに高める。同分野はカネカが5割の世界シェアを握るが、クラレはまず1割を確保し、年100億円規模の売上高を目指す。
 住友化学は高速の無線通信用に使う高機能半導体基板材料を増産する。千葉工場(千葉県袖ケ浦市)の生産能力を今秋に倍増したばかりだが、13年秋にさらに25%高める。累計投資は50億円。JX日鉱日石金属は折り曲げ可能なプリント基板の回路材料で世界最薄となる6マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル品の生産を開始。現在7割の世界シェアをさらに高める考え。
 持ち運びやすさが特徴のタブレットでは軽量素材の開発も相次ぐ。タッチパネル用ガラスでは米コーニングと旭硝子が世界2強だが、セントラル硝子も本格参入する。通常表面保護と基板の用途で2枚使うが、1枚で対応可能にした。
 素材分野は装置産業で設備投資がかさむうえ、特殊な性能を出すには長年のノウハウが必要で中韓勢も容易に追いつけない。特にスマホなど先端素材では日本勢の独壇場とされる。各社が国内生産拠点を中心に事業拡充を進めれば次世代技術の蓄積につながる。先端素材輸出が拡大すれば、日本の貿易収支の悪化を抑える要因にもなりそうだ。