藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

国の行方。

戦国時代の伝記を見ても、幕末のエピソードをいくら詳細に読んでも、どうしても「皮一枚」実感には届かない。
戦争の歴史も、映像の資料さえ残っているのに、それでも我が事のようなリアル感に欠ける。

ただ唯一、自分たちの親世代から「生の声」を直に聞くと、ようやく「これはつい数十年前に起きた現実なのだ」という肌感が伝わってくる。
歴史とはそういうものであり、また自分たちが生きている「今」の歴史感については、当事者である自分たちが、最も「客観的に感じにくい存在」なのである。

バブルを経験しても、それがバブルだとも気付かず。
同様に高度成長期を過ごした人たちも、それが当時「そう」だとは明確に意識していなかったようである。
歴史とはそうしたものなのだろう。

それでも戦後の最近は、過去のレビューのタイミングが早くて、「失われた二十年」とか「バブルの後始末」とか「IT社会の勃興」などとすぐに言われたりするけれど、それすらも実感が伴わない。

一体今が「どのような状態の時代なのか」ということは、よくよく考えねば「時代の流れの中」にいては感じにくいものなのだ。

今年度の予算が92.6兆円で成立した。
予算が43.1兆円、国債新規発行が42.9兆円。
そして国の負債は今年中に千兆円に達する。

直感で「持たない」と感じている人はとても多いと思うが、その割に「具体的なその後」をイメージして備えている人は少ないのではないだろうか。

資産の退避とか防衛か、そういうことではなく、日々の仕事とか衣食住とかについて「変わるものと変わらないもの」についてはリアルに考えておく必要があると思う。
人の必要な営みは基本的には変わらないし、けれど余分なもの、必要ないものは権威のある団体や、一流企業であっても吹き飛んでしまうだろう。

そういう意味で、今の社会で「本当に必要なものとそれ以外のもの」という目もってこれからは生活しなければならない。
特に話題のIT社会の中でも、必要なSNSやオンラインサービスと、付属物でしかない「その他の道具」を見極めておく必要がある。

思わぬところで、自分や自分の会社の仕事が「その他の道具類」の分野に入っている可能性がある。
今の新興ITメーカは、その壁にすでに行きあたっているものも多い。
よくよく、自分の仕事は「次の社会でも必要とされるかどうか」ということを考えに入れておきたいものである。

2013年度予算が成立 一般会計92.6兆円国の一般会計総額が約92兆6千億円に上る2013年度予算が15日夜、成立した。景気対策として約5兆2千億円の公共事業費を計上、道路や橋など老朽インフラの補修に重点配分した。2月に成立した12年度補正予算と合わせた規模は100兆円を超えた。安倍晋三政権は6月に成長戦略を打ち出し、景気底上げに全力を挙げる。

13年度予算は、参院では民主党など野党の反対多数で否決された。すでに可決していた衆院と議決が異なるため両院協議会を開いたが、協議は調わず、憲法衆院優越規定に基づいて成立した。

昨年の衆院解散・総選挙のあおりで予算編成がずれ込み、政府は4月1日から5月20日まで50日間の暫定予算を組んで対応した。5月の大型連休後の当初予算成立は1996年以来17年ぶり。
 
13年度予算案は税収43.1兆円に対し、新規国債発行額が42.9兆円。借金が税収を上回る状況を4年ぶりに解消する。