藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

生活保護の意味。

安倍内閣生活保護の制度を改正する。
支給額の引き下げと自立支援が目玉だというが、こうした制度も曲がり角に来ているのではないかと思う。

人口ピラミッドが高齢化しているということと、GDPの伸長がほぼ止まる、ということを考えた場合に新たな保護策が必要となるだろう。
定年を全国的に延長し、雇用を促しても仕事の総量が減っているのでは意味がないし、また高齢者を雇用すれば企業へ補助をするとか、あるいは働く高齢者にさらに補助をして就業を促すとかいうモチベーションが必要である。
日本はドイツやフランスに比べても五分の一程度の1.6%の受給率だから、まだまし云々の相対比較はあまり意味がない。

手当の現物支給化とか、専用居住施設への移住とか、不正受給への対策も必要だと思うが、この種の監査力を強めても、あまり社会復帰の促進には繋がらないのではないだろうか。
210万人超の受給者の八割は高齢者・疾病者・母子家庭の経済困難が理由だという。
引き締めと自立支援、というのも制度の設計そのものを変える必要があるだろう。


生活保護改正案など閣議決定 自立支援と罰則強化 
【有近隆史】安倍内閣は17日、深刻化する貧困問題への対応を盛り込んだ生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案を閣議決定した。生活に困る人の自立支援策と生活保護の引き締め策の二本立て。成立すれば、1950年に生活保護制度が始まって以来の大幅改正となる。

 生活保護の受給者は過去最多を更新し続け、今年1月時点で215万人。生活保護費も国・地方の今年度当初予算で3・8兆円にのぼる。財政負担が重いため、政府は「物価下落」などを理由に8月から15年4月にかけて、支給額を大きく減らす方針。両法案はこれに続く対策だ。

 生活保護を受ける人への支援策では「就労自立給付金」を新設。受給中に働いて収入を得た場合、今の制度では減らされる生活保護費の一部を積み立てたとみなし、将来保護から抜けた時に現金を渡す仕組みだ。金額は、安定した仕事に就いた時に支払わなければならない税金や社会保険料に近い水準を想定する。

 生活に困る人が保護に至らないよう、その手前の支援も強める。幅広く相談を受け、状況に応じた支援計画をたてる事業を自治体に義務づける。「引きこもり」などですぐに仕事に就くのが難しい人に清掃などの作業機会を提供する企業やNPOへの経費助成や、本人の生活習慣や家計意識を向上させる支援も自治体に進めてもらう。

 一方、生活保護の不正受給への世論が厳しくなっているため、さまざまな引き締め策も盛り込んだ。不正受給の罰金を「100万円以下」に引き上げ、不正の額に4割まで上乗せして返還を求められるようにする。自治体が調べられる範囲も本人の就労状況に広げる。

 このほか、保護を申請した人の扶養義務者が扶養できるとみられるのに応じない場合、収入や資産について自治体が説明を求められるようにする。昨年に芸能人の母親が保護を受けていることが話題になった出来事などを受けた対応だが、専門家からは「扶養義務者に気兼ねし、保護の申請をためらう人が出かねない」といった懸念が出ている。

 また、申請手続きでは、本人が収入などを記した書類を提出することを条文に明記した。生活保護問題対策全国会議は「窓口での申請拒否が広がる」と批判するが、厚生労働省は「自治体に通知を出して運用を変えないよう徹底する」と説明している。

 施行日は、生活保護法改正案が来年4月1日(一部の項目は除く)、生活困窮者自立支援法案は15年4月1日。政府・与党は議員立法で提出を予定している子どもの貧困対策推進法案とあわせて審議し、今国会で成立させたい考えだ。

■生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案のポイント

【自立支援策】

・自治体が自立への相談を受け、本人と支援プランを作る※

・仕事を失った生活困窮者に家賃相当の給付金を支給※

・生活困窮家庭の子どもに元教員らが勉強を教えるのを支援※

・家計管理の指導や仕事に就くための準備を支援※

・働く生活保護受給者が保護から抜ける際に一定額を給付(就労自立給付金)

【引き締め策】

・自治体が受給者の就労状況も調査可能に

・不正受給の罰金を「100万円以下」に引き上げ。不正受給の返還金に最大4割上乗せ

・自治体が必要と認めた場合は、扶養義務者に報告を求める

・受給者を診察できる医療機関の指定を更新制に。不正があった場合の取り消し要件も明確化

(※は生活困窮者自立支援法案に盛り込まれたもの。残りは生活保護法改正案)