藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

止まらぬ雇用の軟弱化。

総務省の発表によると非正規雇用者の数が前回比152万人増で2042万人になったという。
労働する人全体の実に四割に迫るということだから、もう「正規か非正規か」というような見方があまり重要ではなく、「非正規雇用という制度をうまく使った経営手法」が主流になっていると見るべきだろう。
さらに34歳までのニートが2.3%。
そこに老々介護の高齢化問題が重なり、介護従事者は5割が60歳以上になっているという。

自分は非正規雇用という制度は、むしろ労使双方の合意も取れるし、必ずしも悪いとは思わないけれど、本当にこの2000万人超の人たちが「今の法制下での正規雇用」をのぞむのなら、そうした方向に日本の労働の法律も変えていく必要があるのではないかと思う。

必ずしも正規雇用は「永遠の雇用」を約束するものではないけれど、本来「雇う側と雇われる側」は無理のない合意を持って契約する、という主旨に鑑み、今一度「法律で規制&規制をかける」というやり方ではなく、本筋の「労使の合意を取るための制度」に戻した方が良いのではないかと思うのである。

ともかく「雇用を増やせ」「正規雇用を増やせ」とばかりに法の網を細かくすることは、結果的に雇用の創出につながっているかどうか疑問に思う。
正規、非正規ではない本質的な議論を望みたい。

正規雇用、初めて2千万人超える 12年
就業構造調査総務省が12日発表した2012年の就業構造基本調査によると、非正規労働者の総数(推計)は2042万人と07年の前回調査から152万人増加し、初めて2千万人を超えた。雇用者全体に占める割合も38.2%と07年の前回調査から2.7ポイント上昇し、過去最高を更新。過去20年間では16.5ポイント増加し、雇用環境の厳しさがあらためて示された。

調査では、介護をしている全国の557万人のうち、60歳以上が約5割を占めることも判明。老老介護の問題が深刻になっている現状も浮き彫りになった。

過去5年間に正規労働者から非正規に移った割合は40.3%と07年の前回調査と比べて3.7ポイント増えたのに対し、非正規から正規へ移った割合は24.2%と2.3ポイント減っており、雇用の不安定化が一段と進んだ。

この結果、雇用者全体のうち正規労働者は121万人減少する一方で、パート・アルバイトは101万人、契約社員は65万人それぞれ増加。リーマン・ショック後の景気悪化時に「派遣切り」が社会問題化した派遣労働者は42万人減った。
また、仕事も通学もしていないニートが15〜34歳人口に占める割合は0.2ポイント上昇して2.3%となった。

過去5年間に介護を理由に仕事を辞めた人は48万人で前回調査から8万人減ったが、60歳以上では逆に3万人増加。企業による介護休業制度の整備が奏功した60歳未満との間で、「介護離職」をめぐる二極化の傾向が鮮明になった。
都道府県別の就業率は東京(62.5%)、愛知(61.4%)が高く、非正規の割合が高いのは沖縄(44.5%)、北海道(42.8%)だった。
調査は5年ごとで、今回は全国の約47万世帯で15歳以上の約100万人を対象に実施した。〔共同〕