藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

更年期の過ごし方。

昔から男性にもあったに違いないが、医学が進むと科学的に症状が分析されてきて、なるほど、ということも多い。
こうした時の「科学」というのはつくづく偉大なものだと思うのである。
更年期は平均51歳からその症状が出るという。
(自分も周囲の知り合いが「男性更年期」を疑う人が何人かおり、きまって感情の起伏の激しい人だという印象があるのだが、それはともかく)

加齢に伴って、男性ホルモンの分泌が低下し、疲労感や倦怠(けんたい)感、筋力の低下、性機能の衰えなどの症状が出る。

何のことはない、年とともに現れる普通の症状だが、今の時代はもうそんな「体の加齢とともに、社会からもリタイアする」というように同期が取れていないのである。

体は明らかに老いを迎えているのに、仕事は大体65-70歳まである。
いやもう働かねば年金暮らし、は期待できない時代だから。

専門家は、「男性ホルモンの分泌を促すには、自分のやってきたことはすべてよかった、と前向きに考えることが大切」としている。(袖中陽一)

これまでは「安らかに老いる」というジェネレーションがどんどん「まだまだ働く世代」に押し流されているのだろう。
ドラッカーも指摘しているが、もうこれからは70歳定年を意識したライフスタイルや人生の設計をする時代になり、これはさらに「80歳の社会参加」にまで広がる可能性もある。
自分もそろそろ更年期世代に入るけれど、「そういうこと」を覚悟しておかねば、と思った。

「男の更年期障害」あなたは大丈夫?…そうなったらどうつきあえばいいか
女性の更年期障害と同様に、「男性の更年期障害」への関心が高まっている。加齢に伴って、男性ホルモンの分泌が低下し、疲労感や倦怠(けんたい)感、筋力の低下、性機能の衰えなどの症状が出る。専門家は、「男性ホルモンの分泌を促すには、自分のやってきたことはすべてよかった、と前向きに考えることが大切」としている。(袖中陽一)

心・体・性機能 3つの症状

大阪市内に住む50歳代の男性は、1年前に職場が変わって仕事が忙しくなったことをきっかけに、動悸(どうき)、倦怠感などを覚えるようになった。気になって、近くの心療内科を受診したところ、「鬱傾向がある」と診断され、抗鬱薬などを投与された。

だが、症状は一進一退。性欲も低下していた。「男性の更年期障害」があると知り、自分の症状はこれではないかと考え、男性更年期外来を開いている関西医科大学付属枚方病院(大阪府枚方市)を受診した。

血液検査の結果、男性ホルモンの数値が低かったため、更年期障害の可能性もあるとして、男性ホルモン注射開始。3回投与で抱えていた症状が改善したため、抗鬱薬は中止した。残業や休日出勤などもやめて様子をみていたが、症状は再発しなかったという。

男性を診察した、同院副病院長で関西医科大学腎泌尿器外科学講座の松田公志(ただし)教授は、平成14年から男性更年期外来を自由診療保険外診療)で開いている。外来を訪れる男性は主に40代から60代。疲労感、憂鬱、不安感などの心の症状▽筋力の低下、動悸、頻脈などの身体的な症状▽勃起障害、性欲の低下などの性機能の症状、の3つの症状を訴えることが特徴的という。

10歳年をとるたびに…

男性ホルモンは体の中でどういう働きをするのか。

男性ホルモンは睾丸でつくられ、血液をつくる▽骨を太くする▽筋肉を太くする▽発毛を制御する▽精子をつくる▽勃起などの性機能の働きをつかさどる−などの役割がある。

更年期障害かどうかを判断する目安となるのは、血液中の男性ホルモンの値。「フリーテストステロン」と呼ばれる男性ホルモンが8・5ピコグラム/ミリリットルを下回ると可能性が疑われる。「フリーテストステロン」の数値は、20代では16程度。それから加齢によって減少し、10歳年をとるたびに1ずつ減っていくという。

くよくよしないこと

治療はどのように行われるのか。医療機関によって異なるが、松田教授は、血中の男性ホルモンが基準値を下回っていれば、まずは、男性ホルモンの注射をするかどうかを患者と相談する。

「ホルモンの数値に問題がなかったり、注射をしても症状が改善しない場合は、心療内科などの受診をすすめています」と松田教授。

更年期障害だった場合でも、ストレスをうまくコントロールすることができるようになると、男性ホルモンの数値は上がる。そのため、更年期障害の治療においては、ストレスを回避することも重要になる。そこで、男性ホルモンの注射を打つ半年間に、同時に、ストレス回避のトレーニングを行っている。

ストレスをコントロールする上で一番大切なのは、くよくよしないこと。「後ろ向きになり、あのときああしなければよかった、と考えるのが最悪のストーリー。自分がやってきたことはすべてよかったんだ、自分の人生はめちゃくちゃよかった、と思うことが大事です」と松田教授。

実は、更年期障害であっても、ホルモン注射をしない、という選択もあるという。「加齢によるものなら仕方ないと現状を受け入れる。それで患者さんがよしとされるのなら、それも生き方です。患者さんと医師がよく話し合うことが大切です」と松田教授は話している。