藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

初めての巨人。

もしこのままドコモがトップを続けることができるなら、旧電電公社以来の体質からついに決別した大企業が誕生したのかもしれない、と思う。

Docomoが自然志向の野菜宅配をする「らでぃっしゅぼーや」を買収したという。
毛色の変わったM&Aだが、なんと記事を見るとABCクッキングスタジオもすでに傘下にいるというではないか。
さらにはタワーレコードも買収済み、となれば昔の「単なる巨象」から変わろうとしているのではないかと思うのだ。

携帯電話の普及で自前のi-modeが普及し、一時は市場を制覇したかにみえたが、その後の旗色はよくなく、通信キャリアそのものが一社に統合されるような勢いである。
電電公社がようやく「自前主義・自分劇場・主演」から脱し、いよいよ本格競争に参入する様子が見える。

出遅れ感が強いけれど、ぜひ日本発のサービスの巨人になってもらいたいものである。

(けいざい深話)ドコモとiPhone:4 試練の巨人が挑む戦略転換2013年11月16日05時00分
◇けいざいSHINWA
 千葉・幕張で10月上旬にあったIT・家電の見本市、CEATEC(シーテック)。NTTドコモのブースには緑や赤の野菜が並び、トマトジュースが振る舞われた。買収した宅配サービスの「らでぃっしゅぼーや」の紹介だった。
 2011年秋に掲げた「モバイルを核にした総合サービス企業」の路線だ。プロダクト部長の丸山誠治(52)は「かゆいところに手が届き、生活がより豊かになるようなサービスを提供したい。5年後、10年後には花が開いている」と話す。
 動きは急だ。10月には料理教室「ABCクッキングスタジオ」を傘下におさめ、大学の授業を配信するプロジェクトへの参画も打ち出した。音楽ソフト販売の「タワーレコード」も昨年夏に子会社化した。
 矢継ぎ早の動きは、置かれた環境が変わったがゆえだ。
 ドコモはかつて、携帯電話のiモードで一世を風靡(ふうび)した。振り込みも、占いも、ゲームも……。いろいろなサービスを提供する基盤として「プラットフォーム」と業界では呼ばれる。契約を増やし、通信料でも潤った。iモードを使う企業から手数料も入った。
 急拡大したスマートフォンには、別のプラットホームがあった。基本ソフト(OS)アンドロイドを使う端末のグーグルプレイと、米アップルのiPhone(アイフォーン)にあるアップストアだ。
 ドコモは、グーグルプレイに続き、9月のiPhone導入にともなってアップストアでもアプリを提供する。動画の「dビデオ」、音楽の「dミュージック」など、まずは11種類。順次広げていく。
 iモードの時のような「胴元」ではなく、胴元のもとに集うプレーヤーとして、だ。
 通信会社として顧客を囲い込む道は、もう選べない。
 社長の加藤薫(62)は現実を見据える。「(通信会社を問わない)キャリアフリーの世界をつくる。私どものお客様だけでなく、日本中で楽しんでいただけるサービスをつくりたい」
 ライバル社の顧客でも、ドコモのIDを取ればサービスが使える仕組みが今月13日、本格的に始まった。どんな客が、いつどこにいて、どんな買い物をしたかといった「ビッグデータ」も積み上がっている。その分析や活用も、新たなサービスづくりのヒントにしていく考えだ。
 ドコモの背中を追ったソフトバンクは海外に歩を進め、米携帯3位のスプリントを買った。規模では追い越された。サービス全般を担当するスマートライフビジネス部門の本部長、阿佐美弘恭(57)はいう。「地元密着に生活密着。国内こてこてのよさを出したい」
 顧客流出が続くドコモ。「日本の巨人」の転換と試練をiPhoneが映し出す。
 =敬称略
 (高重治香、永島学)=終わり