藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

"デザイン"という言葉。

その単語「単体」では大した深い意味はないのに、その言葉を用いるシチュエーションや"深さ"によっては黄金のように輝くのが言葉の不思議なところである。

人生は辛いことやアクシデントもしばしば現れるものだけれど、言葉を「そんな風に受け止めること」を知っていると心強い味方になってくれることも多い。
このあたりが「人間の特性」である。

さて御年102歳の日野原先生のコラムより。

本日は「心豊かな人生をデザインする」というテーマで講演しますが、人生は皆さん自身がデザインするもので、他人がデザインしてくれるのではないのです。

冒頭のこの一文だけに、大事な話は「凝縮」されている。
自分が居酒屋で他人に言ったっておかしくないような、こんな一言も、言う人によっては胸を打つ。
特に若い人に。

「人生は自分でデザインするもの。」
「しかも"心豊かな"人生。」である。

ぜひ、何か悩みがあったり、人生の岐路だったり、いろんな場面で枕詞にように頭の中で唱えてもらいたい。

そんなことは知っているよ、という大人の人でも。
「えっと。人生は自分でデザインするんだよな」と一呼吸置いてからいろんなことを始めたいと思う。
7つの習慣、では第一の「主体性を発揮する」という部分になるけれど、それの実践編である。
もう、バカみたいに、できれば紙に書いて壁に貼り出しておきたい一言なのである。
(つづく)

日野原重明さん講演「心豊かな人生をデザインする」
講演(1)健康で長生きするための5つの習慣
100歳を超えても現役医師として活躍する聖路加国際病院理事長・日野原重明さんの講演会が11月8日、東京都八王子市のオリンパスホール八王子で開かれました。内容を詳しく紹介します。
日野原重明(ひのはら・しげあき)さん 1911年10月4日生まれ。山口県出身。ターミナル・ケア(末期医療・介護)の充実、「患者参加の医療」を提唱する一方で、医師・看護師の育成、予防医学や健康教育の普及など、現代医療の改善に向けて尽力を続ける。「成人病」にかわる「生活習慣病」という新語の提案者でもある。
 54年には、民間病院として初めて聖路加国際病院に人間ドックを開設し、全国への普及を進めた。94年、日本で初めての独立型ホスピスを開設。2000年、75歳以上の元気な老人のために「新老人運動」を提唱し、高齢化社会にあって注目を集める。その一方で、ベストセラー絵本「葉っぱのフレディ」を音楽劇にするなどの活動も行う。05年に、文化勲章を受章。07年からは、日本ユニセフ協会大使も務める。


ただ長生きするだけでなく…
 本日は「心豊かな人生をデザインする」というテーマで講演しますが、人生は皆さん自身がデザインするもので、他人がデザインしてくれるのではないのです。
 私は、10月4日に102歳の誕生日を迎えましたが、日本人は、どんどん長生きするようになってきました。
 平均寿命は、1947年には男性が50.06歳、女性が53.96歳だったのが、2012年には男性が79.94歳、女性が86.41歳になりました。
 老人の数が増えてきて、100歳以上の老人の数は、半世紀前の1963年には153人だったのが、2013年には54397人になりました。
 日本の男性の平均寿命は約79歳なのですが、日常的に介護を必要としない「健康寿命」は約70歳なのです。女性の場合の平均寿命は約86歳で、「健康寿命」は約73歳です。
 「皆さんは、ただ長生きをするのではなくて、健康で長生きするにはどうしたらいいのか」ということを考えてほしいのです。
健康の秘訣とは ここで、健康の秘訣(ひけつ)についてお話ししましよう。
 「健康」という言葉の語源ですが、漢字の「健」の字は「イ(人偏)」+「建」で、「自分の足でしっかり立つ」ということです。「康」の字は、徳川家康の「康」で、バランスを取るという意味であるのですが、心が平静であって安寧であるということです。「健康」ということは、体だけでなく、家康の「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」という言葉のように、平静な気持ちが大切なのです。
 私は、生活習慣病という言葉を、日本で初めて使いました。
 どう食べ、どう呼吸し、どう運動し、どう休み、どう仕事をするか…この5つが、生き方の習慣で大切なことであります。
 中壮年からの生活習慣の形成が健やかな長寿へとつながるということが、私の経験から言えることであります。
 孔子は「論語」で「性相近し、習い相遠し」と言っていますが、人は生まれた時は、誰でもみんな同じだけれども、習慣が違うと、大きな差がでてくるという意味です。