日経womanより。
もう結婚してしまった人には参考データにしかならないが、これから結婚する人にはテキストとして使えそうなこと。
離婚相談などを聴いていると実に多種多様な事情があるものだ、と思わされるが詰まる所はこんな風に整理されるようである。
これから結婚する人は「予めの点検表」にもなるだろう。
またタイトルにある「経済的自立がないと別れを言い出しにくい」ということも事前に知っておいたほうがいいと思う。
こういう話は経験則としては誰もがそれなりに知っていることが多いけれど、整理して網羅的に分析することで隙のない見方ができるものだということを発見した。
法律的に離婚原因となるものは…というアプローチからだけでは見えてこない教育的な分析結果だ。
まあいずれにしても記事ににあるように、結婚は易し離婚は難しは確かなようである。
6割が「自分から別れ告げた」 働く女性の離婚事情
2015/12/22 6:00
ニュースソース
日本経済新聞 電子版結婚、出産後も仕事を続ける女性が増えるなか、夫婦関係も大きく変化しています。日経WOMANが読者を対象に実施したアンケートでは、「離婚を考えたことがある」と答えた人が半数近くにも。働く女性の離婚事情に迫ります。
■働く女性には離婚の危機が続々?
(C)Pixta
日経WOMANが読者を対象に実施したアンケートで、既婚読者の半数が1度は夫との離婚を考えた経験があり、その4割が「夫の生き方や性格を尊敬、信頼できない」という理由を挙げた。
「結婚後も働き続ける女性が増えるなか、離婚の危機に直面する夫婦が増えている」と語るのは、離婚問題を多く手がけてきた弁護士の中村久瑠美さん。約3組に1組が離婚する今、働き盛りの30代前半の女性の離婚率が全世代中最も高くなっている(グラフを参照)。
離婚率の年次推移。各年の離婚件数を婚姻件数で割って算出。離婚件数、婚姻件数ともに厚生労働省の人口動態調査より、編集部で作成 (注:厚生労働省の離婚率は、各年の離婚件数を全人口で割って出すため、数字が異なる)
夫妻の同居をやめたときの年齢別にみた有配偶者離婚率の年次推移。各年齢階級の離婚件数を各年齢階級の人口で割った数字。厚生労働省「『平成21年離婚に関する統計』の概況」より作成
ではなぜ共働き家庭で、離婚の危機が増えているのか。『なぜ、結婚はうまくいかないのか?』の著者、森川友義(とものり)さんは妻側の理由をこう分析する。「専業主婦と比べ、家事と仕事との両方を行う『キャリア主婦』は経済的に自立している人が多い。また、仕事を通じてさまざまな男性と知り合う機会も増える。一方で、プライベートでは忙しさから夫と一緒に過ごす時間が減ったり、家事や育児の分担で、夫に対する不満や不公平感を持ったりしがち」
また、今回の読者アンケートでは離婚経験者のうち6割以上が自分から離婚を告げていた。
「驚きました。専業主婦の場合は8割が夫から離婚を告げられています」と夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさん。経済的に自立しているから、結婚生活を続けられないと思ったらその気持ちに正直に決断することもできる。一方で、だからこそ円満な夫婦関係を続けるための互いの努力が必要なのかもしれない。
【働く女性が離婚を考えるとき】
読者アンケート詳細:2015年9月に日経WOMAN公式サイト上で実施。既婚読者168人(平均年齢41.0歳)から回答を得た。
「1つもない」と答えた人が2割を超えた。一方、嫌いな点で一番に挙げられたのが「ニオイ」。10位以下は、「家事のやり方」「友人がいない」「話をしない」「ケチ」と続く
既婚読者の2人に1人は、結婚前から夫の嫌なところが気になっていたと答えた。
「夫を尊敬、信頼できない」という理由で離婚を考えたことがある人が一番多く4割。「妻の仕事に対する考え方の違い」も「性生活の不一致」と同率(15.0%)で、離婚を考えるきっかけとなっている
離婚しない理由として、経済的な面よりも、精神的・物理的な理由を挙げた人が多い。
この人たちに聞きました
中村久瑠美さん
弁護士。中村久瑠美法律事務所代表。夫の暴力が原因で離婚。その後司法試験に合格し弁護士に。著書に『バツイチなんて言わせない?離婚女性たちのQOL向上宣言』(PHP研究所)『離婚バイブル』(文春文庫)などがある。
岡野あつこさん
夫婦問題カウンセラー。自らの離婚経験を生かし、37歳のとき「岡野あつこの離婚相談室」を開設。25年間で3万件以上の相談を手がける。近著に『貴女が離婚を決める前にしなければならない8つのこと』(ゴマブックス)。
森川友義さん
早稲田大学国際教養学部教授。政治学博士。専門分野は日本政治、恋愛学(結婚学)、進化政治学。『なぜ結婚はうまくいかないのか?』『結婚しないの できないの?』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)など恋愛・結婚に関する著書多数。(日経WOMAN 福島哉香)
[日経WOMAN 2015年12月号の記事を再構成]