藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

健康を外部に託す。

会社で受ける健康診断も、その結果を自分で気にすることはあっても「それ自身が指導の対象」になるとは思わなかった。

もう「健康でいること」は自分とか家族だけの問題ではなく、その価値は「関わっている会社の価値」の時代になりつつある。

同様の話題で、結婚する相手(主に男性)の遺伝子を調べて、病気の可能性とか、寿命とかを調べる試みは既にある。
昔のように「健康も不健康も俺の好き放題」という時代は失せつつあるようだ。

よく眠れているか、とか
夫婦が円満に過ごせているか、とか
家族縁者との関係が良好か、とか
上司や部下や職場の配置が適正か、とか
一昔前は「自分でしか判断し得なかったこと」が、次々に明るみに晒されIT化されてゆく。

人間という生き物と、それを分析するITがいよいよその境界を「交わって」くる時代に入っているのかもしれない。

健康とか寿命とかストレスとか。
そんなことを自分自身で考えずとも、客観的なアドバイスがもらえるというのは画期的なことでもある。
自分のことに主体性がなくなりそうで、ちょっと心配ではあるけれど。

社員の健康 IT指南 データ統合、改善促す 富士フイルムなど、人材生かす環境整備
2016/9/13付
IT(情報技術)を活用した健康経営に力を入れる企業が増えている。富士フイルムホールディングス(HD)は社員の健康診断の結果や勤怠情報などを一元管理して、きめ細かい健康管理につなげる。大和証券グループ本社は健康情報をインターネットで学習するとポイントを与え、給与にも反映する。健康保険組合の財政悪化や人材不足を見据え、社員が健康で長く働けるようにする。

 富士フイルムHDは、従来は別々に管理していた健康保険組合産業医、会社の人事部などが持つデータをグループ全体で統合する。健康診断やストレスチェックの結果、生活習慣病での受診歴、勤怠情報のほか、これまでの上司が誰だったかといった職場情報まで合わせて分析できるようになる。

 これにより勤務体系や特定の事業所・上司などで生活習慣病が多いといったことも分かる。問題が見つかれば改善を促し、生活習慣病の予防などにつなげるほか、産業医による健康指導や勤務体系の改善に役立てる。

 このほど富士フイルム富士ゼロックスの2社で導入が完了した。2017年度末までには国内グループ会社の社員全員、4万7000人が利用する計画だ。事業所ごとにメタボリックシンドローム内臓脂肪症候群)に該当する社員の比率を出すなど、健康度のランキングを作ることも検討している。

 富士フイルムHDでは自社の中で健康や医療データの分析・活用の専門家を育成し、新たなビジネスにも生かす考えだ。

 伊藤忠商事もITを活用する。16年度中に肥満気味の若手・中堅社員にウエアラブル端末を配布し血圧や心拍数、歩行数、睡眠時間などを自動測定できるようにする。さらに端末と連動した「マイページ」を社内サイト内に開設し情報を管理できるシステムも開発中だ。

 テルモは社員対象のウオーキング大会を実施。楽しみながら体質改善できるよう毎日歩いた歩数をパソコンに記録すると画面上で果物が育つゲームを取り入れた。

 45歳以上の社員が健康増進に取り組むとポイントを付与し、給与に反映していた大和証券グループ本社は、15年末にメンタルヘルスに関する情報などをインターネットで学習するとポイントを与える制度を導入した。

 ITを生かした健康経営に企業の関心が高まっている。15年12月には従業員の健康増進を推進する団体「ウェルネス経営協議会」が発足した。ビッグデータ人工知能(AI)などの活用をうたう。ANAホールディングスやファミリーマートなどが発起人企業として名を連ねる。

 企業が社員の健康増進を推し進めるのは経営に直結する課題との認識が広まっているためだ。病気の社員が増えると保険給付費の支出が膨らみ健保財政を圧迫する。少子高齢化労働力人口が減少に向かう中、社員が長く健康で働ける環境をつくることは企業の競争力を左右することになる。