藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

目的語がない方針。

芸術と会社組織、というある種「水と油」のようなほぼ日の上場。
あまりよく知らない人が「手帖を売る小売業を主体とする」とか聞くと、ちょっと違うんだよなぁと思う人は多いだろう。

先日も書いたけど、これは「向こう側からの殴り込み」だ。
安全圏にいればトップで居られるのにあえて相手の土俵にいく行為。
人はこういうのをアントニオ猪木という。(と思っている)
しかしながら同社の経営はすでに誰とも違う「イトイ流」だ。

どうやら、というか、けっこう確信的に、なのですが、
「ほぼ日」は、変わります。

日産自動車とかユニクロの社長がこんなことを言ったら「何言ってるの?」となるはず。
しかし糸井さんが言うと「むむむ。」となる。
これだけでも同社がただの製造小売業ではないことがわかる。

会社の経営って厳格な法律とか税制とかがあるから、どうしても「ある種の規律からは決してはみ出ない」ところがたくさんある。
みんな「そんなもんだ」と思っていることが。
(つづく)

ほぼ日刊イトイ新聞
・いろんな場所で、しばらくぶりに出会った人たちが、
 「おめでとうございます」と声をかけてくれます。
 それは、3月中旬の「ほぼ日がジャスダック上場」
 というニュースのおかげなんですよね。
 たしかに、それは簡単な道のりではなかったし、
 社会のなかの「会社」として認識されたということで、
 祝われるのはうれしいものなのですが、
 ぼくの、ほんとの気持ちは、もうちょっと複雑です。
 「ありがとうございます」という気持ちの他に、
 なんとなく、初めてこどもを持った父親みたいな、
 「目が笑ってない」硬い笑顔になっているんです。
 新車を受取ってガソリン入れに行くときだとか、
 入学式や入社の式に向かう駅からの道だとか、
 やっぱりちょっとぎこちなくなるじゃないですか。
 ぼくは、じぶんのことを、
 けっこういろんなことに馴れた人であると、
 じぶんにも言い聞かせて、そうふるまってきましたが、
 そういうものでもないんだなぁと、よくわかりました。

「ほんとうに問われていることは、なんなのか?」
 それを、真剣に自問自答してきたはずです。
 根本的とは言いにくいような現象や思惑にとらわれて、
 ほんとうに大事なことを見失わないようにしようと、
 こころを引き締めてきたのですが、
 考えがやっぱりまだ、のびのびできてない感じです。
 このへんのある意味で初々しい感覚は、
 やがて馴れてから忘れてしまいそうなので、
 あえて記しておこうと思いました。

実際に考え中だったりやり出していることは、
 いままで以上に真剣だったり大胆だったりしています。
 どうやら、というか、けっこう確信的に、なのですが、
 「ほぼ日」は、変わります。
 政治家がよく「チェンジ!」と言いたがりますが、
 あんまりそういう感じじゃないような気がします。
 でも、起承転結でいえば、おもしろく「転」します。
 少しずつわかってもらえるようになると思いますが、
 「やさしく、つよく、おもしろく」の精神はそのままで、
 できることをひと回り大きくしていくような変化です。
 19周年の記念日である6月6日に向けて、動いています。