*[ウェブ進化論]自分を証明するもの。
泥棒や強盗などの犯罪がどんな手口で起きているか、ということについては自分たちは熱心に検討する。
一方ネットの世界では「そういう(安全性の)こと」は誰かが担っているのに違いない、と思い「ひたすらの便利さ」が追求される。
しかもその「便利の伸び具合」は半端ではない。
インターネットも生誕40年。
という一文を、自分たちはよく理解する必要があると思う。
いよいよネットで「公証」とか「登記」などもしていくらしい。
"ネットの手続きこそが本人"になる日も近そうだ。
「戸籍とは」「実印とは」「謄本とは」そして「私とは」を問い直す時代が来るだろう。
ネットで自分のIDを証明できなければ、アナログで自分を説明できない日がくると思う。
ブロックチェーンの台帳にしか「自分」が残らない時代がいよいよ現実になりそうだ。
ネットアクセスを安全に
2019年4月11日 21:30
ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)の設計者であるティム・バーナーズ=リー氏が最近、「デジタル青年期からより成熟した、責任ある、包括的な未来への道のり」を確かにするため、より良いウェブを構築する重要な時期にさしかかっているとの認識を示した。
この認識は、あらゆるものをつなげる方法として利用されているインターネットのインフラが直面する課題に当てはまる。40年前に作られたウェブの基盤プロトコルであるTCP/IPは当初よりもはるかに広い用途に使われており、デバイスのハッキングやセキュリティー全体の侵害といった報道を毎日のように目にする。
リモート・イットはシリコンバレーに拠点を置くスタートアップだ。そのサービスはソフトバンクによって企業顧客に安全なネットワークソリューションを提供している。日本国籍を持ち、最高経営責任者(CEO)で共同設立者のリョウ・コヤマ氏が、ネットワーキングの課題とそれらを克服するアプローチを語ってくれた。
――起業の経緯を教えてください。
「個人的なニーズからアイデアが生まれた。共同設立者のマイク・ジョンソン氏と私は、それぞれの自宅に監視機器を設置していた。ビデオカメラを使って遠隔から見る方法は複雑なだけでなく、セキュリティーの問題があることに気づいた」
――リモート・イットの顧客層を教えてください。
「創業当初は新しいデバイスへの遠隔接続をする方法を必要とする顧客が多かった。たいていの場合はモバイルネットワークを介したものを含んでいた。今ではこのような顧客に加え、大規模なネットワーク機器のインストールベースを持ち、安全な遠隔アクセスを実現しようとする顧客が増えつつある」
――現在のネットワークの問題をどう捉えていますか。
「最大の問題は、ほとんどのセキュリティーがアプリケーション層に集中していることだ。実際のハッキングのほとんどはネットワーク層で起きている。企業はアプリケーションのセキュリティーに大金をはたいている。誰もネットワーク層の開発をしていないためだ」
――自身がセキュリティー担当の役員だとしたら、どのような行動を取りますか。
「機器のメーカーの担当者にはネットワークセキュリティーの専門家なのか、それともネットワークの担当者に任せているのかを尋ねる。攻撃の多くはセキュリティー上の脆弱性を見つけ、他のデータに『ジャンプ』した結果、起こってきた。メーカーは自社のデバイスが侵害されることだけでなく、その侵害によってユーザーに起こり得ることにも責任があると気づくべきだ」
[日経産業新聞2019年4月9日付]
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