藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

リテールAI(2)

 
*[ウェブ進化論]データvs自分。
日経MJの続き。
米ファッションブランド「RUTI」は来店者をカメラが認識し顔の画像とその人の購買履歴をひも付け、パーソナルな接客を提供する。
「これがお似合いですよ」とか「これとこれのコーデはいかが」とか機会が言ってくる日は近そうだ。
もっと進めばパーソナルトレーナーよろしく「ちょっとダイエットしませんか」「それならこのマシンで」とか言ってくるかもしれない。
それはともかく。
消費者は自分でも何が欲しいのか分かっていない。買い物の8割は非計画購買といわれる。消費者の欲しいをデータ分析で浮き上がらせる。
人は感情の動物で、「情緒で買い物をする」と言う。
自分の部屋に山ほどある本やクロゼットの中身を見ればよくわかる。(汗)
(なのでここ数年は新しい本や衣服は「基本買わない」ことにしている)
 
もし将来のAIが賢いのなら、むしろ最適化された購買行動を勧めてもらったほうがいいだろう。
人が売っている保険とか金融商品の方がよほど怖いと思うのは自分だけだろうか。
 
 
  「買いたい」引き出す 次世代AI店舗の正体 
 

小売り・メーカー200社超、AI活用・人材で連携
 
海外の小売業はテクノロジーの活用に積極的だ。米ウォルマートが昨年4月に開いた店ではAI搭載カメラやセンサーが商品の動きを追跡し、欠品前に棚に商品を補充する。米ファッションブランド「RUTI」は来店者をカメラが認識し顔の画像とその人の購買履歴をひも付け、パーソナルな接客を提供する。
 
日本では、アマゾンのレジ無しコンビニ「アマゾンゴー」に刺激を受けた企業が集まり、一般社団法人リテールAI研究会を2017年に設立した。トライアルだけでなく、ヤオコーなどの食品スーパーや、ココカラファインなどのドラッグストア、サントリー酒類などのメーカー、200社超が参加。AI人材の育成や情報の収集、実験に取り組んでいる。
 
「1社で取り組んでも大きなパフォーマンスを発揮できない。いくら消費者を分析する手法を確立しても仮説の立て方によって取り組み内容は違ってくる」という代表理事の田中雄策氏。非競争領域と競争領域を分け、小売業のAIの活用を加速させていく考えだ。
 
AI活用で特に研究会が力を入れているのが来店者が思わず買いたくなる陳列だ。テーマを決め「この指とまれ」方式で参加を募る。例えばフルーツグラノーラを買った人が買いそうな商品をAIで分析したところチョコチップメロンパンだった。ある店で一緒に並べるとよく売れた。
 
飲食店のPOSデータをAIで分析し、スーパーで焼き肉用の肉を買った客にアイスクリームのクーポン券を提示したらアイスの売り上げが2割伸びた例もある。
 
消費者は自分でも何が欲しいのか分かっていない。買い物の8割は非計画購買といわれる。消費者の欲しいをデータ分析で浮き上がらせる。
 
どの小売業もAIの活用の多くは実験の域を超えない。利益率が低い小売業にとってコスト負担は重く、デジタル投資に慎重になる。投資に見合った売り上げ増を見込みにくいからだ。カメラでのデータ収集には消費者の理解も必要になる。
 
AIは手段にすぎない。アマゾンに脅かされるという消極的な理由ではなく、経営トップがAIを活用して何をしたいのか明確なビジョンを持つことが大切だ。
 
編集委員 大岩佐和子、伊神賢人)
 
  [日経MJ2020年3月18日付]