藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

脳の性質。

ひらめき脳 (新潮新書)

ひらめき脳 (新潮新書)

大人気の茂木さんの著。
「やわらか脳」とか「脳のからくり」「すべては脳から始まる」など、多くの著作が出ている。


人からは「脳整理法」が面白い、と言われたのだが、既に買っていた方から読むことに。


脳は幾つかの原則的な性質を持っている、と指摘。

・脳は快楽原理に則っていること。
・「ひらめき」の瞬間は快楽物質が出ること。
・なんとなく予測できる範囲内で起きる「不確実なこと(遇有性)」を脳は喜ぶ。
・「感情」は不確実なことに対応する最も重要な存在である。


そうかもしれない。


なんでも、ほぼ予想される(分かりきった)ことしか起きなければ、人間なにも刺激がない。
かといって、予想外の事件にずっと晒されていては、身がもたぬ。結局、


自分のことを客観的な目で捉え、「不確実なこと」にも激昂するのではなく、「残念なこと、恥ずかしいこと、嬉しいこと…」を素直に受け入れる「視点を持つ」ことが、最も良い脳の状態をつくり出す、という風に感じた。


かなり分かりやすい文章で書かれているのだが、自分が詳しくないこともあり、少し実感を欠く。


少し時間を置いて、再読したい。


印象に残ったところが二点。

(1)我々は母国語を「人生の色々な局面でその言葉が使われたエピソードを集積して、その中から『言葉の意味を抽出』している。

最近、他国語を勉強していて、つくづくそう思う。


ふと浮かんだ日本語の意味が、きちんと説明できないのだ。これについては、近々考えたい。
著者は最後にこう結ぶ。

(2)人生というものは、一瞬のうちに風景が変わることがあるということです。
どんなに人生を見切ってしまったと思っていても、自分には未来がないと思い込んでしまっても、絶望に打ちひしがれ、或いは得意の絶頂にあったとしても、一瞬のうちに何かとてつもないことが起こり、それまでとは全く違った風景が見えることがあります。
その点にこそ、人生の最大の希望があり、また時には底知れぬ恐ろしさがあるのです。

私達の脳は、その「一瞬」に備え、常に準備しているのだ、と。


これは希望がもてる話しではないか。


(2、3回読んだが、ちょっと理解が浅い。茂木さんの著作、全部読んでみないと。)