藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

フューチャリスト宣言(敬称略)-その三

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)


アインシュタインたるを諦め)脳科学界のダーウィンたることを決意した、茂木。
ネットで「知のレバレッジ」を利かせ、リアル世界への持ち込みを志向する梅田。


結局これらの試みは、


「これまで」と「今」と「これから」を考えるとき、
しがらみなしに

「何をテーマにするか」
「どのように(ネットを駆使)するか」
「いつまでの目処でするか」


という人生の大航海の行く先を探っているように思える。

もとに帰ってくる

筑摩書房


その後の二人の会話を見てみると、一つのブームが過ぎた後の「落ち着き感」のようなものの気配が。


これまで、あらゆるメディアに挑戦し、人脈を広げ、「全てを選択の対象に」してきた広角打法の茂木。と


ネット世界におけるgoogleオープンソース(あるいはシリコンバレーか)をテーマに徹底的な仮説と検証で挑む梅田の一点突破作戦。

対談の中、茂木は「自分のテーマを絞ること」、
梅田は「あらためて違うテーマに挑戦する可能性」を、ともに言及しているのは、
よほど二人にシンクロするところがあるようで印象深い。


そして、結論にも共通項。

お互いに、「つまるところ」リアル世界での効用・効果がより重要、と念押しす。


一時、熱病のようにネットに浸かっていた人が、ネットの「本当の強み」をモノにしてリアル世界に帰ってきた。



ひょっとしてシナジーとは、リアルとネットの関係のことではないか。


そんなものを、梅田の言葉から感じる。



記念対談を聞いて


本の読了時はそうでもなかったが、この対談を聞いてずい分印象が変わる。


茂木・梅田の二人が、この対談を機に、互いの「これまで」をしきりに振り返る。


これまでのライフスタイルを相互に照らし出したように。

人生、「相当な覚悟」で突っ込んでいても、ある時完全に引いて俯瞰してみる、ということか。


自分も最近、これに似た経験をしているが、

「全く変わりそうにない現状」を感じたときこそ、ブレイクスルーの最大のチャンスなのかもしれぬ、と。


常に現状を「離れた目で」見る。


フューチャリスト宣言」で得た、最大の気付き。