- 作者: 梅田望夫,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 新書
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(アインシュタインたるを諦め)脳科学界のダーウィンたることを決意した、茂木。
ネットで「知のレバレッジ」を利かせ、リアル世界への持ち込みを志向する梅田。
結局これらの試みは、
「これまで」と「今」と「これから」を考えるとき、
しがらみなしに
「何をテーマにするか」
「どのように(ネットを駆使)するか」
「いつまでの目処でするか」
という人生の大航海の行く先を探っているように思える。
もとに帰ってくる
その後の二人の会話を見てみると、一つのブームが過ぎた後の「落ち着き感」のようなものの気配が。
これまで、あらゆるメディアに挑戦し、人脈を広げ、「全てを選択の対象に」してきた広角打法の茂木。と
ネット世界におけるgoogleやオープンソース(あるいはシリコンバレーか)をテーマに徹底的な仮説と検証で挑む梅田の一点突破作戦。
対談の中、茂木は「自分のテーマを絞ること」、
梅田は「あらためて違うテーマに挑戦する可能性」を、ともに言及しているのは、
よほど二人にシンクロするところがあるようで印象深い。
そして、結論にも共通項。
お互いに、「つまるところ」リアル世界での効用・効果がより重要、と念押しす。
一時、熱病のようにネットに浸かっていた人が、ネットの「本当の強み」をモノにしてリアル世界に帰ってきた。
ひょっとしてシナジーとは、リアルとネットの関係のことではないか。
そんなものを、梅田の言葉から感じる。
記念対談を聞いて
本の読了時はそうでもなかったが、この対談を聞いてずい分印象が変わる。
茂木・梅田の二人が、この対談を機に、互いの「これまで」をしきりに振り返る。
これまでのライフスタイルを相互に照らし出したように。
人生、「相当な覚悟」で突っ込んでいても、ある時完全に引いて俯瞰してみる、ということか。
自分も最近、これに似た経験をしているが、
「全く変わりそうにない現状」を感じたときこそ、ブレイクスルーの最大のチャンスなのかもしれぬ、と。
常に現状を「離れた目で」見る。
「フューチャリスト宣言」で得た、最大の気付き。
拝