- 作者: 梅田望夫,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 新書
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さて、中身。
「新しく知ったこと」と「驚いたこと」に分けて。
新しく知ったこと
googleについての認識。
1.今となっては、(今のところは)唯一、webサイトに「ルール」をもたらした存在だ、ということ。
検索エンジンとは、
質のよい演算と、
全webサイトに共通して適用できるルールによる「解析プログラム」のことだ、と。
どうも「ルール」という感覚を忘れていた。
2.ネットの向こうに「特定の集団」を想起して、リアルでやるのと同じパワーをそそぐことで、
何倍ものテコが利くこと。
(それを実践しているゆえ、普通の大学は「ヌルい」と。「一時間半、古いフォーマットで講義して、古いフォーマットで録音するのか」とバッサリだ。)
3.googleは企業理念ありきの怪物だということ。
「世界中の情報を整理しつくす」とか
「邪悪なことはしない(トップ画面にユーザの望まぬ広告を入れないこと)」とか。
驚いたこと
- 茂木一押しの理論脳内の「偶有性」。*1
これが「検索エンジン」+「インターネット」の組み合わせで、ネット上で実現し、進化していること。
人間の脳内が、インターネットみたいなものだ、と。
両者の相関はこれからの最大の眼目だ。
- その意味で、インターネットの登場は「有史、言語の登場以来」の革命性を持つ、と考えること。
- ネットのおかげで、これからは「教育」という点で「貧困」がなくなる、ということ。「充分」なリソースの中で、人は何を学ぼうとするのか。
- ロングテールは、畢竟、「ヨコ軸のみ」になること。「全ては、違う」。
- 若者(まさに昔の自分)が、「実際は有限な時間」をまるで無限にあるかのように感じるのは
「可能性無限、を感じているのだ」ということ。
本当の無限じゃないので、ボーっとしていてはイカんよと。
-ネットは生命の一大原理である「オープン化・偶有性」のジオラマモデルのような存在である可能性があること。
特に、自分で自分の脳の動きは、分からぬ。
一アマチュアとして自分なりに「ネットと見比べながら」考えていく、という目標。
とても面白いテーマができた。
*1:ある程度は予測できるが、どうなるかわからない側面もあるという性質のこと「ひらめき脳」より