藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

L&G事件について(若い人へ)

経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版

同社は2001年ごろから「100万円預ければ3カ月ごとに9万円を支払う」「解約時には元金を保証する」などとうたって「協力金」への出資を募ったが(後略)

この手のサギ話、何年か置きに必ず出てくる。


ねずみ講やら、ベルギーダイヤモンド、ナントカ通販、ナントカソーラなど色々形は変わるものの、基本的に「常識」では考えにくい配当が約束されている。


10%を超える配当の金融商品など(一般人が買えるタイプでは)ない。


ところが、多くの人が騙されるのは、仕掛ける側が人の「ココロのスキマ」を突いてくるからだ。


また、実際に商品を仕入れたり、ディスカウントで販売したりと一応「売買」を標榜するものもあって、見分けにくいものもある。

人は自説が論理的に覆されると、簡単に新説と入れ替えてしまうようだ。

実は論理的でなくとも、相手に言い返せないと、なんとなくそちらの方が説得力がありそうに思ったりもする。


大学時代、さんざんねずみ講が問題になり、「天下一家の会」が摘発された直後のことを思い出す。


どんどん工夫されてくる

友人「ねぇねぇ、いい話があるんだけど。人造ダイヤの販売で」
自分「え?それ何かネズミっぽいんじゃないの」
友人「あ、違う違う。よくそう間違われるらしいんだけど、ネズミはお金だけを渡して増え続けていくってヘンな仕組みでしょ。これは違うから。ちゃんとした販売だからね!。
自分「あぁ・・・そっか販売なのか、じゃあ違うね」

なんと、友人は塾での自分の教え子から話を持ちかけられていた。
今聞くとばかばかしいが、当時はそのくらいの工夫でも騙される人はわんさかいたのだ。



いわゆる「ネットワークビジネス」とか「MLM(マルチレベルマーケティング)」とか名前を変えて、「仕掛ける側」は永遠になくならない。


この度のL&Gは「円天」なる電子マネーもどきを駆使し、携帯サイトで取引をする、という時流の工夫をし、また年率36%となかなか(頃合いの)の利率をうたって、五万人から一千億を集めたらしい。


その首魁は、お決まりのカリスマ親ネズミと、取り巻きのゴロつき連中。


破綻してみれば、「引っかかる人が悪い」とも思うが、恐らく被害者の周りは「信じられそうな空気」がむんむん漂っていたのだと思う。


世の中の原則


ある(以前、やはり出資法違反で検挙された)、首魁の名言。

「世の中、人にわざわざ『うまい話』をするヤツなんぞいないっちゅーことを知らんやつばっかりや。一人引き込めば、そいつが他人を説得してくれる。ラクなもんやったデ。(どうして関西弁なのか)」

まあ、いばって言えたことでもないが、核心をついている。


一族の家訓です


例えばこんなのはどうか。


どちらも実話。私にあったお話。

「ある携帯ゲーム開発のITベンチャが大手通信会社(ド○モとか)との契約目前だ。3年で上場するらしいが、今なら一株十万で一千万円までなら投資の口利きをしてもよい。自分も三口出資したが、やらないか?」(上場ちらつき型)


「大手メーカと契約している、中堅の工場が1ヶ月だけ資金難に陥った。30日間だけ2億円貸して欲しい。利息は200万つける。」(つなぎ融資型)


こういうのにはごく希に本物が混じっていることがある。


が、「金利での利殖目的の投資(財テクだね)は一切せぬ」、と決めておいた方がよい。


この手の話が持ちかけられたら、「話の冒頭で断る」のが一番よい。

「あ、財テク禁止って死んだおばあちゃんの遺言なんだ」と言おう。

相手の話しを聞いていちいち仕組みを検証したり、矛盾を見つける手間もなくなって、さらにお得だから。