藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

専門家の目


いよいよjazzレッスンも七回。
ドミナントサブドミナント、トニック。


ミスティ、ハピバースデーに続き今度はベートーベン第九のテーマ。
ジャズのアレンジとは存外に論理的で、しかも面白味のあるものなのだ、と少しわかってきた。


△9th、add9thと、感覚だけでないセオリーがあるとようやく知る。
まるで自由に組み上げるパズルのような趣か。


藤野さんはビル・ェヴァンスを聴きなさい、などとアドバイスをもらいながら。


ちょっと複雑な和音。
「全部の音をきちんと押さえて」
「………」
「もう一度」
「………」
「まだまだ」
「………」


ピアニシモで、きちんとメロディーとその他の音が弾き分けられぬ。
汗が出るが。


そういえば、と思いクラシックの話をする。
有名な悲愴の第二楽章。
「この旋律もくっきりしないんですが」


弾いてみる。
「あ。歌ってませんね。」
「え?」
「頭の中で」
「はあ」

頭の中で歌うメロディーは、演奏に必ず表れるんです。


逆に歌っていないと伝わりませんよ。

それまで感じていた「旋律」への疑問が一気に氷解した瞬間。
ずーっと「こうでもない、ああでもない」と逡巡していたが、ずい分とムダに時間を使ってしまったかもしれない。


「あること」をしている時に。
適時に「専門家の助言」を得ること。


いつもいつも助言に頼っていては努力を怠る。
が、必要な時に「適した師」に付くことは、思いのほか重要だ、と再び気づいた。


芸の道、はまだまだ続く。