藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ピンク・フライデー


カリフォルニア州では予算縮小の影響で、公立学校の教職員にも「解雇予告」が出始めたとのこと。
日本だと寡聞にして聴かないが、経済の影響が一気にどこにでも表れる、のがアメリカらしいと感じる。


数字としては、国内(州内)の失業率が10%を超え、「教師一人当たりの生徒が20人」となったところで限界が来たようだ。
日本でも、国家公務員法、なんかがあれど公務員もワークシェア、ということを考えねばならない時期が来るのだろう。
親方日の丸、とも言ってられない。


それにしても公務員の解雇通知を「ピンクスリップ」とはなぜだろう、と思ったが明確な説明はなかなか無い。

According to an article in The New York Times, the editors of the Random House Dictionary have dated the term to at least as early as 1910.
[1] The origin of the phrase is undetermined, and there is no evidence that termination notices were ever traditionally printed on pink-colored paper.[
<wikipedaより>

ニューヨークタイムズを引けば、ランダムハウス英語辞典の編集者が少なくとも1910年には掲載しているという。
その使い始めは定かでなく、伝統的にかつて解雇通知がピンクの用紙に書かれたという確たる証拠もない。
ということらしい。

しかしイギリス、アイルランドではP45、ベルギーではC4、という略語でよばれているそうで、まあ戦時中の赤紙ほどではないにせよ、解雇通知なんて受け取って嬉しいものではなく、そういった「別称」で表現したくなる、というのは各国共通ということなのだろう。


小さな政府、を結局実現できていない日本にピンクスリップ、は出されるだろうか。




<MSNニュースより>

教職員2万6000人に解雇予告 吹き荒れるカリフォルニア残酷物語

【ロサンゼルス=松尾理也】
「先生、クビになっちゃうんだって」。こんな会話が今月、カリフォルニア中の子供たちや親の間で交わされている。
財政難にあえぐカリフォルニア州の教育当局はこのほど、2万6000人にも及ぶ公立学校の教職員に「ピンクスリップ」と呼ばれる解雇予告を手渡した。
長期にわたる好景気を謳歌(おうか)したカリフォルニアは、今や失業率が10%を超え、民間労働者にとどまらず教職員の職までが危うくなるなど、一転して「残酷物語」の舞台に変貌(へんぼう)しつつある。


「1人だって先生を失いたくはないが、3人にピンクスリップを出さざるを得なかった」


ロサンゼルス西部の住宅街に位置するフェアバーン小学校で行われた説明会で、集まった保護者を前にエリザベス・アブラモビッツ校長は苦渋の表情を浮かべた。
同校の1クラスあたりの生徒数は現在、20人程度。
だが、今後は35人程度まで増やさざるを得ないという。


「でももっと大変なところもある。隣の小学校は40人の教職員中14人がピンクスリップを受け取った」。
同校長が説明すると、集まった保護者から言葉にならないどよめきが起きた。
今月中旬、州内各地の教育当局から一斉にピンクスリップが発行された。現場は大騒ぎ。
13日の金曜日には抗議の意味を込めてピンク色の服を着てくるよう学校側が子供たちに呼びかけた「ピンク・フライデー」が各地で催された。


教職員削減の原因はもちろん、カリフォルニア州が直面する未曾有の財政危機だ。
AP通信によると、州の小中学校は来年度、全体で80億ドル(7800億円)以上の削減を迫られているという。


こうした状況を受け、9億ドル近い赤字に苦しむロサンゼルス合同学区のラモン・コルティネス教育長は「子供たちにとって望ましい措置とはいえないが、財政危機はわれわれ自身の問題なのだ」と、今回ばかりは一定数の解雇に踏み切らざるを得ないとの姿勢を示した。


教育現場の唯一の希望はオバマ政権による景気対策のための交付金だ。
一度限りの交付金だけで事態が根本的に好転するとは考えにくいが、現在のところ、ほかに明るい材料は見いだせない状況にある。