さもありなん。
ネットをほとんどしない人(55才以上)にネットサーフィンを経験してもらうと、脳内が活性化させることが判明したという。
そりゃ次々とリンクを移動することが、刺激を与えていることは想像に難くない。
いちいち「次の情報」に人手を介してアクセスしていた頃からは比べるべくもない。
それは「刺激的」なことは当然だろう。
が。
それなら、もう一つカウンターで調べる必要があるのでは。
「ネットばかりしている人」の頭がある種「発育していないのではないか」という点。
いたずらにリアルタイムにいろんな情報が更新され、リンクされ、情報から情報に飛び移るのに時間差はない。
だから情報を追い続ける。
自分の周囲にも、携帯やpcで5分おきくらいにニュースやメールのチェックをしている人は結構いる。
少し前なら「一日一回」来ていた郵便を、五分ごとに気にする生活。
それと気づかぬ間に、結構オソロしいことに思える。
自分たちは刺激中毒になっていないか。
マウスの頭に電極を付け、いろんな刺激を与えながら脳の働きを見る実験よろしく。
テレビゲームのやり過ぎが「単純反射」で判断思考の著しく欠けた「ゲーム脳」を作り出す、という説がある。
それになぞるなら「ネット脳」か。
ひたすら刺激を求める、いわば脳内オナニー状態ではなかろうか。(下ネタすみませぬ)
調べることのモラルハザード。
そして。
ニュースソースのような「情報刺激」だけではなく自分たちは、気がつけば「調べる」ということにもどんどん躊躇がなくなっている。ということに気づく。
知らない言葉でも、漢字でも、語源でも、英語でもスペイン語でも中国語でも寿司ネタでも。
分からなければ即座に調べて、大体の答えは出てしまう。
「ネット以前」は調べること、は向学心があってよいことである、というのが常識であったと言っていい。
だがネットを携帯している現代ではどうだろうか。
何か分からなければ、すぐ躊躇なくネットへ。
ポン、とwikipediaなんかで粗筋を知ってしまって、ハイお終い。
人との会話の最中、徐(おもむろ)に携帯を取り出して「あ、ボクシュって『固く守る』って意味ですね!」などと頻繁にやっているのはこの私なんである。
いえいえ、話聞いていないんじゃないんです。むしろ逆なんですが。(省)
自分では、その時点で「脳内快感物質」が分泌され、それで「脳内オナニー」が終わっているのではないか、と最近考える。(疑)
その証拠に、それでどんどん知識が膨らんでいるか、というとちっともそんな気がしないもの。
自分の知らない物事を調べ、またその根本の意味を考え、また別の理屈などと比べて「新しい思考」を紡いでゆくのは、脳の進化として良いのだろう。
だが、表面だけをサラっと調べて、なんとなく「そこ止まり」になっていないか、と「ネットでの高齢者の脳活性化」の調査記事を見て思った次第。
そういわば。
自分自身明らかに、紙に向かい「深く思考する」機会などほとんどなくなっているような気さえして来た。(危)
ちょっとネットも使用の形態とか、使用量を考え直そうかと思う。
<asahi.comより>
ネット検索で脳イキイキ、米大学研究 認知症予防にも?
インターネットになじみのない中高年がネット検索を続けると、意思決定や判断をつかさどる脳の中枢が活性化されることがわかった。認知症予防の手段になる可能性があるという。米カリフォルニア大ロサンゼルス校の研究チームが発表した。
チームは、インターネットを毎日使う人と、ほとんど使ったことがない人の計24人(55〜78歳)を対象に、脳の活動を機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)で調べた。
その結果、ネットをほとんど使ったことがない人が、2週間のうち7日、自宅で1時間ほどネット検索をしただけで、毎日使う人と同じ程度、「中前頭回」など意思決定に重要な中枢が活性化した。
チームは「ネット検索のとき、大切な情報を一時的に覚えたり、絵や文から何が重要かをつかんだりすることが効果につながる」とみている。
とはいえ、ネット利用は良いことばかりではなさそう。
米オハイオ州立大の研究チームは4月、日記を書いたり、コメントをつけたりできる交流サイト「フェースブック」を利用している大学生は、勉強する時間が減り、成績も悪くなる傾向があるとの調査結果を発表している。