カジノのない日本に(公営ギャンブルはあるけど)、わざわざそういう過激な娯楽を、今さら導入しようというのも賛成しかねる。
それこそ国民投票でもしてもらいたいと思うが、その根拠も合わせて聞きたいものだ。
公営ギャンブル、は正式には公営競技と言われ、日本では「競馬、競輪、競艇、オートレース」の四つ。
競馬は中央競馬10、地方競馬18に分かれている。
wikipediaによると、
「日本の公営競技は、第二次世界大戦による戦災からの復興支援を主目的とした公営ギャンブルの一つとして開催され、長年にわたり地方財政の健全化に大きく貢献してきた」
という。
要するに非常事態を緊急に乗り切るためのカンフル剤として、まあ人々の射幸心をネタに、カネの循環を作り出したということである。
自分は、不幸にしてギャンブル運がないので助かっているが、賭け事に携わっていても、誰一人「当初の望んだ幸福」には達していない。
要するにない方が良かったのである。
なし崩しの地域破壊はやめよう。
大阪の橋本知事が、「カジノを作るなら岸和田だ」という発言。
自分も関西出身だが。
大阪が、日本全国的にみて「さもしい」理由。
その一つに「パチンコ村問題」があると思う。
都心の大阪市内の主要駅にも、そして
大阪府下、あまねく大きな幹線道路のそこここに「パチンコ村」と言われる遊技場の塊がある。
パチンコ村の悲しいところは、「周囲の娯楽を、ほぼすべて吸収してしまう」ことにある。
そりゃ、事業者にしてみれば、もっとも効率がいいかもしれない。
だが、地元民の文化とか、教養とかを考えれば、そこには図書館とか、カフェとか、公園とか、運動場とか、キャンピングパークとか、何かいろんな「もうちょっと文化的なにおいのするもの」ができても良かったのである。
だがパチンコ村は、そんなデリケートな、邪魔くさいものを一掃してしまった。
幹線道路からは、派手なゴリラや怪獣のオブジェや、モーテルと見まがうばかりのサーチライトに照らされた、不夜城のような「パチンコパーラー」ばかりになった。
それをもっとも味気なく感じているのは、ほかならぬ地元の人たちである。
カジノも劇薬。
ラスベガスはカジノで復興を果たしたという。
カジノという金銭のアメニティを通じて、老若男女の雇用の場をうまく作りだした、ということである。
ラスベガスは、今や単なる賭場ではなく、どんな人が行っても楽しめるアミューズメントの都市になっているというのだ。
できるなら。
大阪とか、関西の都市設計もそのくらいの視野での開発計画であって欲しい。
「カジノ?、今作るなら岸和田だな!」て。
カジノありき、ではない。
これからの関西、これからの大阪がどんな青写真か、ということのほうがよほど重要である。
関空ではないが、いままたポツリ、と岸和田に突如カジノがオープンしないことを祈る。
<asahi.comより>
【シンガポール=多知川節子】シンガポールを視察中の大阪府の橋下徹知事は22日夜、自らが提唱する大阪でのカジノ構想の候補地について「岸和田市の(臨海部の)貯木場跡地しか思いつかない。
(阪神高速)湾岸線も近く、いい場所」と話した。シンガポール初のカジノが開業予定のセントーサ島で大型リゾート施設を23日に視察するのに先立ち、報道陣に語った。
カジノ構想に大阪市の平松邦夫市長が否定的なことを理由に、大阪市の南港・咲洲(さきしま)地区は難しいと指摘。
岸和田市の貯木場跡地は、一定の面積が確保できて周辺の活性化につながると説明した。野口聖(きよし)岸和田市長も、知事が候補地と公言することを了承しているという。