藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

多重債務の国。

年金給付や生活保護などの社会保障費が約75兆円で全体の約34%
国の借金にあたる国債の利払いなどの国債費は、全体の約37%にあたる約82兆円に達し、
この二つの経費だけで、歳出全体の70%以上を占める。


消費者金融からの借り過ぎについて、利払いが過大な負担になっている、として昨年大規模な規制が施行された。
「年収の三分の一以上」は借金できず(なぜかクレジットの買い物とか自動車や住宅ローンは含まれない)、これまで「限度額オーバー」していた人は市場から締め出しを食っているのが現状である。


日本の債務は「利払いだけで37%」であるから年収の1/3がどうの、というレベルではない。
さらに年収の1/3は「高齢者や子供手当」ですでに食ってしまっている。
リタイアした人への福祉費と、利払いだけで『71%』を占める家計がそのまま上手くいくはずはない。
行く先は「利息が払えなくなる」か、「年金ほかが支払えなくなる」か、「借金(借り換えも新規も)ができなくなる」ということしかないだろう。


いつも指摘されることだが、「保つはずのない域」の家計に今の自分たちは住んでいるのである。
今年の予算案で「劇的な将来計画」が出されるはずの政権交代だったけれど、残念ながらそうはならなかった。
周囲の国や国民が、その将来性に絶望した時に一気に事態は変化すると思う。


今年の日本は「これまで」のような状態ではいられなくなるような気がする。
自分たちを守る手段、を真剣に考えねばならない。

国の歳出220兆円に拡大 11年度、一般+特別会計
財務省が発表した、2011年度予算案の一般会計と特別会計をあわせた総予算の歳出は、前年度比2.4%増の220兆2754億円となった。一般会計は前年度並みに抑えたものの、高齢化が進んで年金給付など社会保障関連の特別会計が膨らんだ。


国の総予算は、一般会計と特別会計の重複部分などを除いた純計にあたり、毎年、財務省が公表している。


11年度の総予算の内訳は、年金給付や生活保護などの社会保障費が約75兆円で全体の約34%。年金や医療費の給付が増え、前年度より約1兆円増えた。国の借金にあたる国債の利払いなどの国債費は、全体の約37%にあたる約82兆円に達し、この二つの経費だけで、歳出全体の70%以上を占める。


一方、近年削減の対象となってきた公共事業費は、前年度から約13%減り約5兆9千億円。歳出全体の3%程度にとどまった。「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権の発足前と比べると、約3割(約2兆5千億円)減った。

 民主党は野党時代から、総予算を大胆に組み替えることや無駄の削減で、4年間で16.8兆円の財源を捻出すると主張してきた。だが、子ども手当などのマニフェスト政権公約)施策を導入したり、高齢化により社会保障費が自然に増えたりしたことで、09年秋の政権交代後、国の総予算は逆に14兆円近く膨らんだ。

 今後も高齢化は続き、借金残高も膨らむため、社会保障費、国債費ともに拡大は続く見通し。総予算の組み替えが難しくなっていることが浮かび上がる。

 12年度以降の予算編成で、引き続き公共事業を削って、拡大が続く社会保障費をまかなうのは限界だという指摘も根強い。野党からは「日本は今のままでは社会保障しかできなくなる」(たちあがれ日本園田博之幹事長)との声もあがっている。(高田寛)
asahi.comより>