藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

命のふしぎ。

IBMスパコン「ワトソン」が100万冊の知識データーベースで、「その中のこと」については無敵なのは直感的に頷ける。
だがそんなコンピュータでも東大受験級の問題に答えるには、まだ10年はかかるという。

現国、古文、数学、生物、化学、物理、地学、政経、日本史や世界史、そして英語。
これらの「過去問」を解いて見せる、というくらいならもう「京」のオーダーに入っているコンピューターには可能のような気がするのだが。

つくづく、人間の使う言葉というものの不思議さに感心してしまう。
処理のスピードとか、記憶の力、とか、互いの記憶の結びつきとか。
一体「思考」とは何だろう。
またその思考が、人間に秀でていると言われる「道具」を使うこととか、思考の先に思考をさらに重ねる「仮説する力」などの原点なのだろうと思う。

コンピュータの開発に携わる人たちはもうとっくに注目しているのだろうが、この一番の素子である「思考」の原理を解き明かすところが「生物の始まりではないか」と考える。

命の現場から。

また、ある心臓外科医の言葉。
「この鼓動を刻む"筋肉の塊"である心臓。ただこれだけのものが、どうして人間に作れないのか、不思議で仕方がない。ただこれこそが「神が作りたもうた神秘そのもの」と感じるそうである。」
命とは、根本的にそういう「不思議なもの」であり続けるのかもしれない。

いつか突っ込んで学んでみたい話題でした。

人工知能に受験の試練…10年後の東大合格目標
ロボットに搭載する人工知能東京大学を受験させるというプロジェクトに、国立情報学研究所(東京都千代田区)が挑戦する。

人間と対話しながら、求められていることを察知して行動する「ドラえもん」のようなロボットの開発に役立つ研究で、5年後までに大学入試センター試験で高得点をマークし、10年後には東大合格を目指す計画だ。

コンピューターである人工知能は、膨大なデータを暗記したり、計算したりするのは得意だが、自然言語と呼ばれる人間が日常的に使う文章や、紙に描かれた立体図形などを理解するのが苦手だ。今年2月、米国の人気クイズ番組で人間のクイズ王2人に圧勝した米IBMのスーパーコンピューター「ワトソン」は、自然言語を理解するように開発されてはいるが、あらかじめ覚え込ませた本100万冊分の知識以外のことには答えられない。

今回、研究グループは暗記だけでなく、論理的な思考が必要な大学入試に着目。最難関の東大を目標に、人間のように考えて答えを導き出せる人工知能を開発することにした。

具体的には、「リンゴ3個とミカン2個」が「果物5個」と同じ意味であるというような人間にとっては当たり前の文章や、紙に描かれた立体図形を認識するプログラムを開発し、問題の意図を正しく理解させる。教科書100冊程度を使って、さまざまな問題の解き方を覚え込ませ、未知の問題でも解答できるようにする。

(2011年11月5日14時34分 読売新聞)