藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本質の時代に。

今年から始まる東大の「海外学生向けコース」が、早くも三割の辞退者を出しているという。
評判では「欧米の有力大との競合」というが果たして本当にそうだろうか。

MBAであれ、Ph.Dであれ、「その称号」が根本的に意味を問われている。
と言う意味では二十年前と比べてもずい分と価値観は変わってきているようである。
日本の大学はともかく、経済の先進的な学習を習いにしてきたはずのMBAですら、(むしろMBAだからか)一体ビジネスの何を身につけるためのものなのか、ということが問われているのが今である。

学歴ではなく、社会人としての実力をどのように身につけ、実社会で発揮するか。
そんな「無手本の時代」が到来しているのかもしれない。

既成概念が通用しない時代、と言ってしまえばそれまでだが、これまでの「お手本」と言われたものが、特に学業のエリートの層では役に立たなくなっているようである。
また"それ"が最も顕著なのは日本だろう。
学歴や資格、が一生の幅を利かせていた時代が去り、また流行りのITのようなビジネスモデルも根付かず、『本当に時代の要請に合ったサービス』が求められる時代に入った。

それはビジネスであれ、政治であれ、人間関係であれどれも同じではないかと思う。
ついに「見かけ」ではなく「本質的になにができるか?」という時代に、日本は先進国でもいち早く突入してるのではないだろうか。

そしてもしそうなら、ここがチャンス。
これまでの既成概念や因習など関係なく、また独特の日本のこまやかさで「自分オリジナル」の色んなものを編み出し、作っていけばいいのである。

「もうこれまでの物差しに囚われなくていいよ」というのは我われにとっては何か「開放感」のある嬉しい贈り物ではないかと思うのである。
戦後、或いは幕末以来「ステレオタイプ」と言われ続けてきた日本人だが、いよいよその縛から解き放たれるような気がするのは自分だけだろうか。
意外に独創性があるような気がするのだが。



「東大より欧米大」秋入学の海外学生、3割辞退
 東京大学で今月から始まる、初の学部レベルの海外学生向け秋入学コースで、合格者の3割が入学を辞退していたことがわかった。
 欧米の有力大に流れたという。国内では合格者の入学辞退が1%未満の東大も、秋入学では国際的な学生獲得競争にさらされることが浮き彫りとなった。
 東大が教養学部でスタートさせる秋入学コース「PEAK」では、英語による授業のみで卒業できる。出願要件は高校卒業までの12年のうち最低10年間、主に日本語以外で教育を受けていたこととされ、日本国籍でも受験可能。定員は30人前後としている。
 東大は昨年、約30か国に教職員を派遣して、新コースをPR。学費が事実上、免除となる奨学金も用意して、入念に準備してきた。今年1〜3月に実施した、書類と面接によるアドミッション・オフィス(AO)入試では出願者238人を集め、中国や韓国など14の国・地域から38人が合格。ただ、パキスタンニュージーランドなどの11人が入学を辞退した。英オックスフォード大など欧米の有力大に進んだという。
(2012年10月3日16時54分 読売新聞)