藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

動機の原点。

我われ四-五十代の間でも、「何が体罰か」とか「体罰など当たり前」とずい分いろんな声が聞こえていた。
元巨人、桑田氏のような理論派の話は、こうした論議に相当な"解決効果"があるようだ。
これまで「論理」のなかった世界に説教をするような、また逆にどうしてくれまでそうした考えがなかったのか?が悔やまれるが、今回の事件を機に一気に日本のスポーツ指導も変わってゆくのではないだろうか。

スポ根、でやってきた日本の運動業界は、今一度「さらに上」を目指すために指導の在り方を考える時期に来ているのかもしれないと思う。
桑田氏いわく「指導者は、(暴力を使わず)自分で考えて行動できる選手を育てる方法を勉強しなくてはならない」という話。

日本のスポーツ業界は、今こそそんな根本のモチベーションについて考え直してはどうだろうか。
またこの体罰を機に、「もともとのモチベーションの原点」というものを日本人が根本的に考えてもよいのではないかと思う。
これまでは「右に倣え」で来た我われが、いよいよオリジナリティを持って動くチャンスでもある。
そろそろ「自分たちで本当にやりたいこと。自分たちの価値観」を見つめなおす時期に来ているのではないだろうか。

桑田さん「体罰禁止を」…大阪市の教員に講演
 大阪市立桜宮(さくらのみや)高校の体罰問題を受け、プロ野球・元巨人の桑田真澄さん(44)が2日、市内で開かれた教員向け研修会で講演した。
 桑田さんは、桜宮高など体罰が発覚した市立高の全教員と、中学・高校の運動部顧問ら計約510人に対し、体罰の禁止を訴えた。
 市教委と大阪府教委が合同で開催し、桑田さんは非公開で約2時間話した。終了後、記者会見した桑田さんは「体罰が野球に生かされることは何一つなかった。尊い命が失われた重大さをもう一度考え、指導者は、(暴力を使わず)自分で考えて行動できる選手を育てる方法を勉強しなくてはならない」と語った。
 講演を聞いた市立住吉商高ソフトボール部顧問、比楽(ひらく)靖教諭(57)は「コーチの語源は『馬車』で、目的地まで選手に伴走するのが役割だという桑田さんの言葉に共感した。スポーツ指導に体罰は必要ない。これからも生徒一人ひとりに向き合って指導していきたい」と話した。
(2013年2月3日 読売新聞)