藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

顔で笑って

独立してから数年経った頃のこと。
営業先の獲得とか、資金繰りとか、人の確保とか、税金とか、ともかく「分からないことだらけ」だった。
そういう日常を過ごしていると、もう「世の中のすべての苦労はここにある」とでも言いたげな「苦虫をかみつぶしたような顔」になるものである。

要するに、小学生から、果ては老人まで「大変だ。と思うこと」は枚挙にいとまがない。
学生は学生なりに、社会人は社会人なりに、老人もそれなりに皆大変なのである。

ただ楽しいことばかりの日常、という人もいないし、
ただ苦しいことばかり、という人にも会わない。
多少の濃淡はあれ、「色んなこと」の起こるのが人生である。

そんな日々の中、「眉間にしわをよせ」て難しい顔ばかりしているのか、それとも
もう色んなことがあるけれど、まず笑顔を心がけるのか、ということは思いのほか周囲に影響を与ええるものである。

リーダーが陰気くさく、何についても「できないできない」と口走っていては、自然そのグループは"暗い気持ち"になってくる。
逆に「顔で笑って心で泣いて」と寅さんばりの態度を取っていれば、周囲の人も元気づけられたり、またコミュニケーションも活発になって「次の何か」が生まれるかもしれない。

楽しいから笑顔になるのか。
笑顔でいるから楽しくなるのか。

ともかくそうした「態度表明」は、思った以上に仕事にも関係してくるようである。
できれば、メンタルは強く、笑顔を先行していきたいものである。

笑うから楽しい 泣くから悲しい
 泣いているとだんだん悲しくなる、笑っていると楽しくなる、などという話を聞いたことがある方も多いのでは。悲しいから泣くのは当たり前だが、泣いていることによってエスカレートしていく、というこのメカニズム。どうなのだろう。それに関してちょっとおもしろい研究がある。
 楽しいと笑顔になるが、笑顔になると楽しくなる、というもの。まず鉛筆を横向きにして口に数秒間くわえる。次に鉛筆を縦向きにしてストローのように口にくわえる。横向きの時は笑顔に近くなり、縦向きの時にはしかめ面になる。心理学者ダニエル・カーネマン博士の著書によると、大学生に鉛筆をくわえたままマンガを読んでもらい、面白さを感じる度合いを評価してもらったところ、横向きでくわえた時は縦向きに加えた時よりも面白さを強く感じたという。
 ごくありきたりの単純な動作も、私たちのものの感じ方に影響を及ぼす。別の実験では、オーディオの音質チェックのためということで、被験者にヘッドホーンでメッセージを聴くように指示した。そして聴く時に、縦に上下に動かずグループと、首を左右に横に動かすグループとに分けた。この条件でラジオの論説番組を聴いてもらったところ、上下に首を動かす、つまりうなずく動作をしながら聴いたグループは、左右に首をふるグループよりも論説に賛成する確率が高くなったという。
 これは驚きですね。面倒な仕事をする前は口を横向きにして笑顔になり、首を縦に振ってからスタートしましょうか。