藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本質で就職する。

結局なんだかんだ言っても、舞い込む相談は就職についてが多い。

「自分を生かせる仕事」
「社会の役に立つ仕事」
「スキルがつく仕事」に就きたい。

そんな話が圧倒的に多い。
読売のきじも「英語力が生かせる仕事がしたい」という話。
何か根本的に「自分が主なのか、社会に参加したいのか」ということが整理できていない。
まずは謙虚に「社会で一から勉強させてください」という姿勢ありきではないだろうか。
いきなり「私のスキルが」というのは、わがまま育ちのお坊ちゃん・嬢ちゃんの話でしかないと思う。

そんなことを親や先輩から聞くことも無い環境でもあるのかもしれない。
アルバイト、という「時間給」で働く形態は、そうした本番の「社会で働くため」のウォーミングアップの場でもあり、嘘でも「お金を稼ぐ」という行為を本番で体験する場でもある、非常に良い経験になっているはずだが、どうもそうした「連続感」の無い人が多い感じがするのである。

アルバイト経験はあるが、「バイトはバイト」。
私が就職するのは「これこれこういう職場のはず」という、何か現実と理想のギャップをそのままリアル世界に持ち込んでいるような、奇妙な感覚を若い人に感ずるのである。

仕事とは「社会の一員になる」という行為だろう。
だからまず「自分のお役に立てるところを探す」という観点で、最大限機会を求めてみること。
そして、さらに自分の適性や、「これまでの積み上げ」が多少なりともあるのなら、そうしたことも考慮してみる余裕を持つ、というくらいのことだろう。

まだ学生のくせにして、「私の型に合う場所はどこ?」と探すスタンスは世間知らずのそれであろう。
まあ、あまり自分の可能性を限定せずに、二十代などはばんばん色んな機会にチャレンジして貰いたいと切に願う。
経験こそ、リアルな経験こそ最大の教師ではないだろうか。

英語を使い働く姿想像
「英語力が生かせる仕事がしたくて航空会社の客室乗務員を目指しましたが、落ちました。ほかにどんな業界なら、英語が使えるでしょうか?」。
 大学4年生の女子から受けた相談です。ビジネスのグローバル化が求められる今、英語が得意な人にとって就職は有利なはず。ところが彼女のように、英語力を生かし切れていない人が多いように感じます。
 客室乗務員には英語力が必要ですが、それだけでは受かりません。接客業ですから対人能力が問われます。では、ほかにどんな業界があるか。正直なところ、英語力を生かせる業界や企業はあまりに多く、絞りきれません。ただし、そうした企業に入社したとしても、すぐに英語を使えるとは限りません。
 昨春、英語が堪能なある女子学生が電機メーカーに入社しました。カナダに1年間の留学経験があり、将来は海外に関わる仕事を希望していますが、就活では、現地での実地調査の経験など活動的な面を強調し、「営業をやります!」と売り込みました。内定は4社から得たそうです。新入社員を営業に配属することが多い企業であれば、彼女のように営業にふさわしいと認められる人柄とそれを物語るエピソードが必要です。
 メーカーもあれば、商社もあります。仕事をする場所や相手国は、欧米それともアジアですか。扱うのはどんな商品ですか。英語を使って自分が働く姿を具体的にイメージして、応募先を考えてみてください。
(2013年10月9日 読売新聞)